自社ブランドを立ち上げる際は、基本を学んでおくとスムーズに事業運営を行うことができます。
逆に基本を疎かにしてしまうと、思ったように商品が売れないという状況になりかねません。
自社ブランドの立ち上げを検討中の方は、本記事で基本を学んでおきましょう。
目次
自社ブランド立ち上げまでの流れ
「こんな商品を通じて世の中を良くしたい」「自社ブランドで実現したい目標がある」など、企業や個人によって自社ブランドで伝えたい思いは異なるはずです。自身の思いを商品やサービスにする自社ブランドを立ち上げるまでの流れについて解説します。
コンセプト・ブランド名を決める
自社ブランドを立ち上げるにあたって、まず第一に考えなければならない要素として、ブランドコンセプトとブランド名を決めることでしょう。ブランドコンセプトは商品の基軸を左右する最も重要な要素といっても過言ではありません。
そのため、自社ブランドで自分のやりたいことだけを追い求めるのではなく、想定している購買層のニーズや社会的な流行など、ブランドとしてどのような戦略を行っていくか、総合的な視点で考えましょう。
ブランドコンセプトが完成したら、消費者が一目見てブランドのコンセプトが分かるようなブランド名やブランドロゴを作成しましょう。ブランド名やロゴを作成する際に見落としがちな注意点として、商標登録されているブランドロゴやブランド名は必ず避けなければなりません。
最悪の場合、法的なトラブルに発展する可能性があるため、作成したロゴに近しい類似品の確認や作成したロゴの商標登録を行いましょう。
場所を選定・構築
ブランドコンセプトやブランド名など、ブランドを代表する要素が決まったら、実際にどこで商品を販売するか決めましょう。予算や集客施策など、自社ブランドのコンセプトを考慮しながら売り出す場所の選定や構築を行いましょう。
また、商品を売り出す場所はインターネット上でも問題はなく、近年では自社ブランドのストア候補は下記3つです。
それぞれ簡単に紹介します。
・ECサイト/ECモール
ECとは、インターネット上で商品を販売する方法を指す言葉です。
従来の店舗型販売と比べて初期コストが安く済むため、新規参入事業者で長く自社ブランドを発展させていきたい方におすすめの販売方法です。
ECサイトについて詳しく知りたい方はこちらの記事を、ECモールについて知りたい方はこちらの記事をあわせてご覧ください。
・SNSやフリーマーケットなどを使った個人販売
後述する資金調達としてSNSやメルカリ、フリーマーケットイベントを活用した個人販売から自社ブランドを始める方法もおすすめです。
また、自社ブランドのECサイトや店舗販売の認知を広げる活動としても活用できます。
SNSから自社ブランド立ち上げまで行った企業の事例が知りたい方はこちらの記事をあわせてご覧ください。
・店舗販売
実際に自社ブランドの店舗を構えて、商品を販売する方法です。
販売する店舗の場所によってはテナントやチラシ広告など、アナログな方法で宣伝できるため確実に、自社ブランドの認知を広げることができます。
資金調達
ブランドコンセプトが固まり、販売方法の選定を行ったら、開業に向けた資金調達を行いましょう。
商品の開発・企画のコスト・生産に伴う経費をはじめ、ECサイトの構築費用や、ECモール・フリーマーケットイベントの出店費など、事業にはさまざまな資金が必要です。開業に必要な資金は開業方法や場所などさまざまな要素によって異なりますが、必要最低資金額は100万円が一般的とされています。
SNSを活用して0からブランディングと資金調達を行う方法もありますが、自社ブランド立ち上げの際に使われる資金調達の方法は下記3つです。
- ・クラウドファンディング
- ・日本政策金融公庫からの融資
- ・投資家からの調達
これらの資金調達方法についてこちらの記事で詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。
商品をデザイン/作成
資金調達方法が確立し、開業に向けての道筋が本格的に見えたら、実際に販売する自社ブランド商品のデザインを決め、商品作成に動き始めましょう。メインイメージの作成からディティールの作成、デザイン指示書の作成などのプロセスを経て商品の仕様書を完成させます。
商品によっては自分の手で作る方法もありますが、難しのであれば他社に製造委託を行う「OEM」を活用しましょう。
OEM企業と仕様の確認を行うことで、専門的な意見を伺ったり現実的な範囲での改良提案がされたりと、メリットはさまざまです。
OEMで商品開発を行う流れについてはこちらの記事で解説しておりますため、あわせてご覧ください。
プロモーション活動
商品が完成したらプロモーション活動を行い、消費者に向けて自社ブランドの認知を広げましょう。
どんなに素晴らしい製品でも、購入してくれる消費者が商品の認知をしていなければ、商品が売れることはありません。できるだけ多くの消費者に認知をしてもらうためのプロモーション施策を行う必要があり、自社ブランドの業種やコンセプトによって有効な施策は異なります。
しかし、プロモーション活動において最も共通して考えなければならないのが「どのプロモーションによって商品を購入したか」です。
リスティング広告やSNS広告などのインターネットを中心としたプロモーション活動が有効な場合もあれば、チラシ広告やマスメディア広告などアナログな手法を用いたプロモーション活動が有効な場合があります。自社ブランドに興味を持つユーザーは、どのような情報を必要としているのかといったニーズを正確に分析し、適切な方法でプロモーション活動を行うようにしましょう。また、プロモーション活動は開業後も継続して行い、商品が継続的に売れるようにユーザーの関心を惹き続けましょう。
開業/運営開始
商品が販売できる状態になったら、開業・運営を開始しましょう。
開業や運営の直後は、予期せぬ問題が出てくる可能性が高いため注意しておく必要があります。
ECサイトの場合であれば、「決済システムが正常に動作しない」「商品ページがリンク切れを起こしており、正しい情報が得られない」「そもそもECサイトの閲覧ができない」などです。事前に対策を考えておいたり、チェック体制を構築して確認を行ったりと、実際に商品を購入するユーザーが満足できるような体制を整えておきましょう。
自社ブランド立ち上げ成功のポイント
自社ブランドの立ち上げを成功させるためのポイントは下記3点です。
- ・ニーズを的確にとらえる
- ・商品のジャンル/カテゴリーを絞り込む
- ・既存ブランドと酷似しないようにする
どのポイントも「消費者がブランド商品を購入する目的」を把握するために重要な考え方ですので、本記事を参考にしっかりと理解しておきましょう。
ニーズを的確に捉える
自社ブランドを成功させるためには、ニーズを的確に捉えることが大切です。ブランド商品は業界を問わず、トレンドの移り変わりが激しいといえます。常に流行やトレンドを欠かさないようにリサーチを行いましょう。そのうえで、自社ブランドのコンセプトがニーズと合っているか精査する必要があり、このニーズを間違えてしまうとユーザーの求める商品とブランドが噛み合わず、ビジネスとして成立しない可能性があります。潜在顧客・顕在顧客などユーザーの絶対数を意識しながら、最も利益になる方法を選択しましょう。一方で、流行やトレンドはどの企業も着手しやすいため、あえてニッチなニーズに向けてブランド展開をする方法もあります。消費者や業界の動向を把握するだけではなく企業動向も一緒にリサーチし、需要と供給のバランスと消費者のニーズとブランドコンセプトが合致する市場を狙うようにしましょう。
商品のジャンル/カテゴリーを絞り込む
商品のジャンル/カテゴリーを絞り込むことは、ブランド戦略において重要な要素といえます。扱う商品のジャンルが広すぎてしまうと、カテゴリーごとの製造コストが多くなってしまったり、ニーズを満たした商品の種類が分散してしまい消費者の定着が難しくなったりします。ブランドを立ち上げる際は、商品のジャンルやカテゴリーを絞り込み、限られた商品だけを生産・販売を行いましょう。ブランドの認知拡大に手応えを感じたら、徐々にカテゴリーを増やしても遅くはありません。市場のニーズとブランドコンセプトの考慮しながら、まずは注力するジャンルを絞り込みましょう。
既存ブランドと酷似しないようにする
既存ブランドと酷似しないようにすることも、ブランド立ち上げにおいて重要です。ブランドを立ち上げたばかりのころは実績がないため、競合他社とのブランド力で負けてしまう可能性があります。自社ブランドの構想段階がある程度まとまった段階で、似た商品が市場にないかどうかチェックしておきましょう。「そのブランドにしかない商品」は、消費者がコアなファンとして固定するために最も重要な要素の一つです。そもそも競合他社と争わない、または競合他社と差別化して想定する顧客層を外すといった作業を、考慮しながらブランドを立ち上げるとよいですね。
まとめ
ブランドを立ち上げる際の流れは以下の6ステップで行われます。
- ・コンセプト・ブランド名を決める
- ・場所を選定・構築
- ・資金調達
- ・商品をデザイン/作成
- ・プロモーション活動
- ・開業/運営開始
ブランドの基軸となるコンセプトや場所は、トレンド状況のリサーチや競合他社の確認など、市場調査を行いながら行いましょう。
また自社ブランドを成功させるポイントは以下の3つです。
- ・ニーズを的確にとらえる
- ・商品のジャンル/カテゴリーを絞り込む
- ・既存ブランドと酷似しないようにする
「消費者がブランド商品を購入する目的」を意識しながら、自社ブランドの立ち上げを行うことで、スムーズな事業拡大につながるでしょう。
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