皆さんはD2Cという言葉をご存知でしょうか?2010年代にアメリカで始まったといわれていますが、現在日本国内でも非常に大きな盛り上がりを見せているビジネスモデルでもあります。
しかしD2Cについてあまり良く知らないという方や、D2Cが流行している理由については詳しくわからないという方も多いかと思います。
そこで今回の記事ではD2Cの基本情報やD2Cが流行している背景、そしてD2C事業に関するトレンドについてもご紹介します。
目次
D2Cとは?
D2Cとは「Direct to Consumer」の略称であり、事業者や企業が企画・立案を行った商品を消費者に直接販売するビジネスモデルを指します。似たような言葉で、B2BやB2Cという言葉があります。B2Bは「Business to Business」、つまり企業間での取引を表し、B2Cは「Business to Consumer」、つまり企業と消費者の取引を表します。
B2CとD2Cは特に混同しやすい言葉です。D2Cも企業と消費者の取引ですが、D2Cの場合メーカーなどが中間業者や小売店を仲介せずに消費者に直接販売するため、その点でB2Cとは異なります。
D2Cは2010年以降少しずつ注目を集め始めました。日本でもさまざまな業界から多くの企業がD2Cに参入しており、D2Cは今後もますます広がりを見せていくと考えられています。
D2Cが流行している背景とは?
D2Cが盛り上がりを見せていますが、その背景は何なのでしょうか?ここではD2Cが流行している背景について3つの観点から解説します。
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1. デジタル化
D2C流行の1つ目の背景として、デジタル化が挙げられます。それまで、企業が消費者にアプローチする場合、テレビなどのマスメディアを活用してアプローチするのが一般的でした。しかしインターネットやスマートフォンの普及により人々がデジタル上で多くの時間を過ごすようになったことで、企業のアプローチ方法も徐々に変化するようになっていきました。
FacebookやInstagramなどのSNSを活用することで、企業やブランドは直接消費者とやり取りすることが可能になりました。
また、自社でECサイトを構築するハードルが下がったため、企業は専門知識が無くても容易にECサイトを構築することができるようになりました。
このようなデジタル化の影響により、消費者と直接やり取りができるD2Cビジネスが広まっていったのです。
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2. 消費者側の変化
D2Cが注目されるようになった背景には、消費者の行動や考え方が変わってきていることも関係しています。
以前は「必要なものを必要なだけ買う」「できるだけ安く買う」という消費者も多くいました。しかし国が豊かになり、物も不足していないため、価格や機能重視の考え方から、自分にとって意味や価値のある商品が欲しいという考え方にシフトし始めました。
1つのブランドをとっても、そのブランドが持つ独自の世界観やストーリーを知ることで、そのブランドに対する愛着も深くなります。仮に機能的価値や価格において他の類似品より劣っていたとしても、ブランドのコンセプトやストーリーに共感した消費者はそのブランドの商品を購入するのです。
D2Cが流行している背景には、このような消費者の行動・価値観の変化も関係しているのです。
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3. 企業側の変化
D2C流行の背景として消費者の変化をご紹介しましたが、それだけでなく企業側にも変化があります。
1つ目のデジタル化でも触れましたが、以前は企業がECサイトを構築することはとてもハードルが高かったため、自社でECサイトを構築している企業は多くありませんでした。しかし、簡単にECサイトを構築できるようなサービスが登場し始めたことで、多くの企業が自社ECサイトの運営を行い始めました。ECサイトを自社で構築することによって、デザインや機能を自由に決められたり、商材のブランディングをより自由に行うことができるようになりました。
このように自社ECの構築へとトレンドが移行したことで、D2Cを実施する環境が整ったこともD2C流行の背景の1つといえるでしょう。
D2C事業に関する3つのトレンドをご紹介
近年D2Cビジネスにおいていくつかのトレンドが生まれています。
D2Cのトレンドを押さえて、チャンスを逃さないようにしましょう。
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1. 老舗企業の参入
1つ目のトレンドは老舗企業の参入です。
「D2Cビジネスは比較的新しいビジネスモデルだから、ベンチャー企業やスタートアップの企業しか行っていないのでは?」などと疑問に感じた方もいるかもしれません。しかし創業100年を超えるような老舗企業でもD2Cの領域に参入しているのです。
D2C事業を行っている老舗企業はいくつかあります。創業122年を迎えたロート製薬株式会社もその1つです。ロート製薬株式会社は2020年にSKIOという新ブランドの展開を始めました。美容液洗顔料や薬用美白美容液などのスキンケア商品を展開しており、女性を中心に人気を集めています。
D2C事業は今やベンチャー企業やスタートアップ企業だけでなく、歴史のある老舗企業にも取り入れられているのです。
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2. リアル店舗無し
リアル店舗を持たないブランドや企業が現れているのもD2C事業に関するトレンドの1つとして挙げられます。
新型コロナウイルスの影響で、できるだけ外に出ずに買い物を済ませたいという人が多くなりました。そのため、消費者の購買行動がリアル店舗での購入から、ネットショップでの購入に変化してきています。そしてこの変化は、D2Cのビジネスモデルにもピッタリと合致しました。それまでのビジネスモデルであれば、メーカーから中間卸業者を通して小売店に届き、その後消費者の手に渡るという流れが一般的でした。しかしD2Cのビジネスモデルはメーカーから直接消費者に届けることができるため、SNSや自社のサイトを使用して、オンライン上で直接消費者に商品を届けることが可能になりました。そのため、リアル店舗を設ける必要が無くなったのです。
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3. パーソナライズ体験の提供
パーソナライズ体験の提供もD2C事業のトレンドといえます。
パーソナライズ体験とはどういったことを指すのでしょうか?
パーソナライズ体験とは簡単に言うと、個人個人の属性興味関心に合わせた体験をするという意味になります。
年齢や性別など、さまざまな要因で人々の趣味嗜好は異なります。や興味・関心にあった商品やサービスを体験できるということです。D2Cブランドでは企業と顧客が直接やり取りをするため、企業側も「顧客が求めているものは何か?」ということについて、情報収集したり分析したりすることが容易になりました。そのようなデータ分析が可能になったことで、よりパーソナライズされた商品やサービスを提供できるようになったのです。
パーソナライズ体験の提供が顕著に現れているのが、シャンプーなどのヘアケア商品や化粧品などのスキンケア商品です。ヘアケア商品の場合、髪質などに合わせてパーソナライズされたシャンプーを購入できるD2Cブランドなどもあります。
またスキンケア商品であれば、自分の肌に合った化粧品をパーソナライズできたり、定期カウンセリング機能がついているサービスを展開するD2Cブランドなども登場しています。
それぞれの傾向に合わせた商品やサービスを、D2C事業を通じて提供する企業が多くなっています。
例を挙げると化粧品のメーカーなどが挙げられます。従来であれば、お店に直接行き、化粧品を実際に手に取って色や質感などを確かめて購入していましたが、D2Cでは
まとめ
いかがだったでしょうか?D2Cが流行している理由やD2Cのトレンドについて、理解を深めていただけたのではないでしょうか。
今回ご紹介したD2Cが流行している背景は下記の3つです。
- 1. デジタル化
- 2. 消費者側の変化
- 3. 企業側の変化
またD2C事業に関する3つのトレンドは下記の3つです。
- 1. 老舗企業の参入
- 2. リアル店舗なし
- 3. パーソナライズ体験の提供
D2Cビジネスの市場規模は年々増加しており、今後も多くの企業が参入することが予想されます。これからD2Cを始めてみたいという方も、今回ご紹介したD2Cが流行している理由やD2C事業におけるトレンドをしっかりと理解し、今後のD2C事業の立ち上げに役立てていただければと思います。
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