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D2Cビジネス情報
2021.9.8
【D2Cとは?】D2Cを始めるメリット・デメリットと、「D2C」ビジネスを成功させる方法を紹介

 

最近よく耳にする「D2C」という言葉。聞いたことはあるけど、「D2C」の意味を詳細に説明できる方は多くないのではないでしょうか?
今回は、「D2C」という言葉の意味や、D2Cを始めるメリット・デメリット、D2Cの市場規模を解説し、最後に「D2C」を成功させる秘訣を紹介します。これから「D2C」ビジネスを始めようと考えている方は必見です。

D2Cとは?

D2Cとは、「Direct to Consumer」の略称で、メーカーなどの製造者が小売店や代理店などを挟まず、消費者と商品の取引をする販売方法のことを指します。

かつて、消費者に物を売るためにはお店を持たなければなりませんでした。場所の選定や出店費用、業種によっては免許・認可も必要になるなど、「お店を出す」という行為そのもののハードルはとても高いものでした。

インターネットの普及とともに、製造者にとって消費者との接点のため必要だった直営店の運営が必ずしも必要でなくなりました。D2CではSNSやECサイトを活用して製造者と消費者が直接コミュニケーションを通じながら商品販売を行うのが特徴です。

ネットショップ開業支援サービスも多々登場していますので、それらを利用すれば数十分で自分のお店を持つことが可能な時代となったことから、WEBを介したD2Cは簡単に始められるようになりました。

 

D2Cを始めるメリット・デメリット

D2Cの販売形態には、どのようなメリット・デメリットが存在しているのでしょうか?分かりやすく説明します。

D2Cを始めるメリット

D2Cを始めるメリットは、たくさんありますが大きなメリットとして3つ説明します。

・コストの削減がしやすく利益率を上げやすい

D2Cは、商品を提供するための必要コストを削減しやすく、収益性を上げやすいのがメリットです。自社で販売を行うため、小売店や代理店などの仲介業者にかかる手数料や流通コストが必要ありません。また、Amazonや楽天市場などの通販プラットフォームを利用する場合も手数料がかかるため、自社でHPを用意するなど、商品にかかるコストを最小限まで抑えることが可能です。結果として商品の利益率が高まり、収益性を高めることができます。

・近代化による消費行動の変化に適している

Amazonや楽天市場などの通販プラットフォームやテレワークの導入などにより、インターネットで商品を購入する購買行動が増加しています。店頭に足を運んで商品を見かけても、スマートフォンで見かけた商品の検索をして比較するといった方も多いのではないでしょうか?そうした近代化の影響による消費行動の変化にマッチした販売方法がD2Cのメリットです。

・消費者のデータを収集できる

D2Cは、小売店や代理店などの販売業者を経由する従来の方法に比べて、消費者のデータを収集しやすい特徴があります。例えば自社HPで商品を販売している場合、滞在時間や離脱されやすいページ、商品の購入に繋がりやすいページなど消費者のデータを収集すること可能です。そのため消費者が商品を購入してもらうための施策を効率的に行うことができます。

D2Cを始めるデメリット

一方でD2Cにもデメリットはあります。メリットと一緒に把握しておくことで一緒にD2Cの理解を深めていきましょう。

・商品が消費者に正しく認知されない可能性

商品がどんなに素晴らしくても消費者に知られなければ購入されることはありません。また、知ってもらったとしても魅力的な商品であると消費者が思わなかった場合購入されることはないでしょう。消費者に認知してもらえるよう、SNSでのキャンペーンやSEO対策などの消費者へのコストが多く発生してしまいます。

・商品が売れるようになるまで時間がかかる可能性がある

D2Cのビジネスモデルの多くは、製造者と消費者の関係を構築しながらブランドを育てます。そのため商品の認知やブランド力の確立に時間がかかってしまい、長い目で見て消費者と商品販売のビジネス戦略を考える必要があります。特に0から始める場合は、消費者開拓と商品の開発を同時並行で効率よく進めなければ、在庫リスクを抱え続けることになってしまうため注意が必要です。

D2CとB2C・ECサイトとの違いを解説

D2Cは、製造者と消費者が商品のやり取りを行うビジネスモデルです。
一方でB2CやECサイトとはどのような違いがあるのか説明します。

D2CとB2Cの違いとは?

「Business to consumer」の略で企業と消費者がやり取りを行うことを指しています。つまりD2CはB2Cと異なる区分ではなく、販売形態としてはB2Cと同じになるのです。

B2BやB2Cの場合、「企業」という言葉が使われていますが、この「企業」という言葉には、メーカー以外も含まれています。そのため、仮にメーカーと取引先の間に商社や小売店などの中間業者が入っていたとしてもそれはB2B、もしくはB2Cと呼ばれます。しかしD2Cの場合だと、間に中間業者が入った時点でD2Cでは無くなってしまいます。ビジネス形態としては同じでも、違いがあることが分かりますね。

D2CとECサイトの違いとは?

ECとは、「Electronic Commerce 」の略で、いわゆるネット通販のことを意味しています。
D2CとECでは、ネットを通じて商品を販売するという共通点があります。しかし、D2CとECサイトは明確に販売システムが異なります。

一般的にD2Cの場合、企画や製造などを全て自社で行い、販売も自社のECサイトで行います。

一方でのECサイトの場合、自社でサイトを用意するのではなく、多数の企業が集まってひとつのECサイトを形成する「モール型EC」が主に利用されています。

またD2Cの場合、インターネット上だけでなく、実店舗で販売することもあります。

簡単に言ってしまうと、

・ECサイトとは、インターネット経由で、より効率的に商品を販売すること
・D2Cとは、製造者(メーカー)がブランドの世界観を大事にし商品を直接販売すること

D2Cの市場規模

D2Cは近年になって注目されている販売方法の1つです。
どの程度伸びているのか、市場規模を国内・国外別で詳しく見ていきましょう。

国内の市場規模

売れるネット広告社によると、インターネットを通じて、自社の商品を消費者に直接販売する”デジタルD2C”の国内場は2025年には3兆円に上るといわれています。

特に、通販プラットフォームや発達やテレワークの導入などが追い風になっており、今後は益々市場規模が伸びていくことが予想されます。
出典元:https://www.ureru.co.jp/news/archives/122
(売れるネット広告社)

海外の市場規模

国内だけでなく海外でもD2C事業は伸び率は高いです。
世界最大規模のデジタルマーケティングリサーチ会社によると、2020年米国におけるD2C市場の売上は、2019年に比べて45.5%増加しており、日本円にして12兆円に上ります。

今やD2C事業は、日本を含め世界中で注目されている販売方法の一つであり、今後に期待される販売方法です。
出典元:https://www.ureru.co.jp/news/archives/122
(eMarketer)

D2Cを成功させるためには?

D2Cに参入すること自体は比較的簡単ですが、継続的な運営を行っていくうえで気を付けたい部分があります。

D2Cへの参入方法

D2C参入に必要なものは、商品と自社サイトがあれば参入可能です。
逆をいえばどんなに素晴らしい企画を持っていても、商品と販売方法が無ければD2Cへ参入することはできません。軸となる商品の市場規模やシェアの算定を行い、商品をどこで・どうやって作るかを定めることがD2C参入への第一歩です。
また、同時進行で自社サイトの構築を効率的に行っていかなくてはなりません。
作った商品を消費者が購入していただけるようなサイト構築やリピートモデル作りを行っていくことで商品が売れる仕組みを整えましょう。

D2Cを成功に導くための秘訣

D2C事業を成功させている多くの企業は、良い商品を作るだけでなく品質の高いコンテンツを定期的に発信しています。コンテンツ発信を行うことで、消費者の認知と購入を促し、最終的にファンとして定着してもらうことを目指したマーケティング手法を採用しています。

LINEやTwitterなどのSNSや自社ブログを活用して情報発信で、有益な情報を消費者に提供し、見込み顧客とのコミュニケーションを行うことがブランド力向上に繋がります。コンテンツの発信は、消費者とのコミュニケーション手段の一つであり、ブランドへの世界観を作り上げる手法としては最適です。
商品そのものの価値だけでなく、ブランドイメージを消費者と一緒に作っていくことがD2Cを成功に導く秘訣です。

D2C:まとめ

D2Cは、時代にマッチした販売方法であり、参入の簡単さからあらゆる企業が注目している事業で、D2C事業の発展に伴い、D2Cビジネスをサポートするビジネスも次々に誕生しています。D2Cは、良い商品を作るだけでなく、マーケティング戦略やサイト構築などさまざまな配慮が必須です。次世代のビジネスとして、最高の顧客体験を目指していくD2Cは、今後も注目のビジネスモデルといえるでしょう。