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D2Cビジネス情報
2022.3.1
D2Cとはどんなビジネスなのか?メリットを徹底解説

D2Cは近年、高い注目を集めているマーケティング手法です。
これまでD2Cを行っていたかった企業が新たにD2Cを始めることもあれば、初めからD2Cを主体とした会社も登場しています。
この背景にあるのはD2Cが現代の消費者ニーズにマッチしているからです。
そこでD2Cとは具体的にどのようなビジネスモデルなのかや、メリット、さらにはD2Cが普及している背景なども交えて解説していきましょう。

 

D2Cとはどんなビジネスモデル?

D2CとはDirect to Consumerの略称として用いられている言葉です。
日本語に訳すと、ダイレクトな取引となります。
これまでのビジネスは、製造者と販売者は基本的に別々でした。
製造メーカーが商品を開発・製造すると、それを仕入れた販売業者が消費者に売る。場合によっては間に卸売業者などが入ることもありました。
よく言えば分業制、悪く言えばそれぞれが自らの担当領域をこなすのみでした。
しかし、これはまだまだインターネットが登場する前の時代のビジネスモデルです。
インターネット登場前の時代としては、決して悪い手法ではなく、むしろそれぞれが役割を分担する効率的なビジネスモデルとして定着しました。顧客と触れ合うのはあくまでも販売店のみで、製造業者や卸売業者はあくまでも自らの役割を全うするのみでした。
むしろ、消費者と接点を持つことが難しい環境でした。もしもですが、当時消費者と接点を持とうと思えば、店舗を出す以外に方法がありませんでした。しかしです。インターネットの登場によってビジネスモデルも様々な選択肢が登場しました。
いわゆるECショップのような、店舗を持たなくとも消費者に販売する手法が登場すると、それまで販売を担っていた小売り・販売業だけではなく、他の業界でもECサイト、自社サイトを持つことで消費者に直接商品を販売できる時代となりました。
ただし、ただ直接販売するだけがD2Cではありません。
D2Cは直接販売と共に、販売に至るプロセスの部分に特徴があります。
ただ単に直接販売するだけではD2Cではなく、ECショップ運営でしかありません。
ではD2Cとは何か。
その答えに、消費者との密接なコミュニケーションが挙げられます。
商品を購入してもらうだけではなく、自社の魅力や商品のコンセプトを理解してもらい、購入してもらうのです。
結果、商品の購入と共に自社のファンになってもらえます。
すると、消耗品であればリピートが期待できますし、新商品が出れば即座に反応してくれることでしょう。
いわば、D2Cとは消費者に物を売るだけではなく、消費者との付き合いを意味するものです。
サイトを見てもらうだけではなく、直接メールを送ったり、問い合わせフォームをきっかけにやり取りすることで信頼関係を構築し、購買にまで発展させることこそ、D2Cです。

 

BtoB/BtoCとの違いとは?

D2Cはその名称から、BtoBやBtoCに似たものだと誤解されやすいです。
しかし、先にもお伝えしたようにD2Cとは消費者との信頼関係構築を経ての直接販売になります。
その点では企業間のやり取りであるBtoBは少々毛並みが異なるビジネスモデルであることが分かります。
一方、企業と個人のやり取りであるBtoCとは、関係性という点では似ています。
BtoCもB2Cも、企業と個人消費者のやり取りではありますが、BtoCは必ずしも直接的なやり取りとは限りません。
その点ではBtoCとD2Cは、似ている部分はあるものの、必ずしも一致しているとは言い切れないものだと考えられます。
例えばBtoCでも、顧客と企業がECサイトを通して直接やり取りをしているのであれば、広い意味ではB2Cになりますが、卸売りメーカーや販売店を通している場合、B2Cではありません。ただし、直接やり取りをしているとしても、コミュニケーションがなく、ただ商品を販売している場合もD2Cとは言えません。
D2Cのスタイルは、広い意味ではBtoBの一種かもしれませんが、BtoBとD2Cはイコールとは言い切れません。

 

D2Cが注目を集めている背景として、D2Cにて成果を上げている企業が増えている点にあります。
決して奇をてらった手法でもなければ、新しいだけで注目を集めているだけでもなく、成果を上げている、つまりは時代にマッチした手法であることが挙げられます。ではなぜD2Cが時代にマッチしているのか。その理由をご紹介しましょう。

 

デジタルネイティブ世代の増加

D2Cが普及している理由として、いわゆるデジタルネイティブ世代が増えている点が挙げられます。
デジタルネイティブ世代とは、生まれた時からインターネットが当たり前の世代を指します。
1995年前後生まれくらいですと、小学生くらいで既に携帯電話が世の中にあった世代です。
当然、インターネットへの抵抗感も少なく、インターネット上のコンテンツを当たり前のように、自由自在に使える世代です。この世代は、インターネットでの情報収集を当然のように行います。商品・サービスを購入する際には口コミ評判等の情報を集たり、他に類似サービスはないか、商品だけではなく、販売している会社の評判等まで調べます。いわば、D2Cとはデジタルネイティブ世代の購買行動へのアンサーと捉えることもできます。
デジタルネイティブ世代はリサーチ力は、それまでの世代とは比べ物にならないほど高いです。
つまり、誤魔化しが効きません。そのため、デジタルネイティブ世代のリサーチ力に応えるために、サイトで商品・サービスの魅力を伝えたり、リサーチだけでは分からない実情を直接コミュニケーションで伝えることで、デジタルネイティブ世代に訴求しているのです。

 

サプライチェーンの進化

サプライチェーンの進化もD2Cが注目を集めている背景の一つです。
サプライチェーンとは、経済活動の流れです。
インターネットが登場する前は、先にもお伝えしましたが製造・開発メーカーが商品を製造して卸売りメーカーに卸し、販売店や小売りに流れて消費者に販売するスタイルが一般的でした。
しかし、インターネットの登場によって製造・開発メーカーが直接消費者に販売することも可能になりました。むしろ、直接販売した方が中間マージンのカットになりますので、販売する側、購入する消費者それぞれにメリットがあります。
かつては製造・開発メーカーとすれば、自社の商品は卸売りメーカーに依頼するしかありませんでしたので、卸売りメーカーの顔色を窺わなければなりませんでした。卸売りメーカーとしても販売店や小売り業者と持ちつ持たれつの関係を築いていました。
しかし、インターネットが登場したことで、わざわざそれらを介す必要がなくなりました。しかし、ただECサイトで商品を陳列しているだけではなかなか訴求できませんので、D2Cを用いることで、自社の商品を通して、自社の存在を知ってもらえるよう、消費者にアピールしているのです。

 

D2Cビジネスを行うメリットを徹底解説

D2Cは時代のニーズにマッチしている点も挙げられるのですが、ビジネスを展開する上でのメリットが隠されている点も見逃せません。
売上もさることながら、それらのメリット面を踏まえてD2Cに取り組んでいる企業も多いほど。そこで、D2Cのビジネスモデルに隠されたメリットもご紹介しましょう。

 

データが直接入手可能

D2Cは消費者と直接やり取りすることになりますので、消費者のデータを入手可能です。
例えば誰が何を購入したのかといった買い物履歴は、貴重なデータです。
一つのデータだけでは履歴でしかありません。しかし、いくつもの履歴が蓄積されれば、データとなります。
どの商品が売れているのか、何時に売れているのか、年齢、性別等、細かいデータまで把握できますので、どの層に売れているのか、逆にどの層に売れていないのか等、事細かなデータを自社だけで把握できます。
それらのデータは、その後のビジネス・マーケティング戦略に十分に役立てることができるのは言うまでもありません。
自社が訴求できていない層にどのように訴求するのかや、しっかりと訴求できている層とより強固な信頼関係を結ぶためには何が必要なのかなど、D2Cは様々なデータの取得が可能です。その点では、D2Cは販売方法の一つとしてだけではなく、販売戦略だと考えることができます。

 

トレンド、ニーズに即対応可能

D2Cは直接販売になります。
つまり、販売に於いて他社への依存度がありません。
もしもですが、卸売りや小売りを頼っている場合、トレンドやニーズが変化した際、すぐには対応できません。新しい商品を開発しても、売れるか分からない商品は仕入れないと判断する卸売りや小売りもいることでしょう。しかし、D2Cであれば商品・サービスの取り扱いはすべて自社だけで決めることができます。他社の顔色をうかがう必要はありませんので、トレンドやニーズに即座に反応できます。また、卸売りや小売りを挟まないので時差もありません。それらを挟む場合、流通事情もあるので仕方ない点ではありますが、微妙に時差が生じてしまいます。トレンドやニーズを受けて店頭に並べても、店頭に並ぶ頃にはトレンドやニーズが去っている可能性もあります。その点D2Cであれば、自社サイトで取扱品目を変更するだけでよいのです。トレンドやニーズが高いうちに即対応することができるので、トレンドやニーズに乗り遅れるリスクが低いです。

 

まとめ

D2Cがどのようなビジネスモデルなのか、なぜ大きな注目を集めているのか、そしてメリットなどを紹介させていただきました。
D2Cの特徴を理解すればするほど、時代のニーズにマッチしていることが分かるのではないでしょうか。
特にデジタルネイティブ世代への訴求力が高い点が特徴です。
デジタルネイティブ世代は自ら積極的に情報を収集する世代です。そして、不要、あるいは魅力がないと思った商品・サービスは選びません。もちろん他にもメリットが隠されていますので、D2Cを実践する企業が増えているのも頷ける話です。