サプリメントの商品開発は、さまざまな法律で守られていることをご存じでしょうか?サプリメントの商品開発で確認すべきことや、個人で行う際のリスクを分かりやすく解説しています。サプリメント業界に参入する新規事業者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
サプリメントとは?
厚生労働省によると、サプリメントとは健康食品に分類される食品で、健康食品もサプリメントも法律上の定義はなく、健康を維持・増進に役立つ食品全般の事を指しています。
厚生労働省 | いわゆる「健康食品」のホームページ
また、保険機能食品制度は、国が定めた一定の基準を満たす場合にその栄養成分の機能を表示することができる制度です。
そのため「おなかの調子を整えます」「脂肪の吸収をおだやかにします」など、特定の保健の目的が期待できる(健康の維持及び増進に役立つ)表示がある商品は、保健機能食品として認可された食品です。
商品開発・企画(サプリメント)の概要や仕事内容とは?
私たちが使っているサプリメントは、商品開発・企画のもとで生まれた商品です。
しかしサプリメントの商品開発・企画はどのような概要や仕事によって生まれているか、知らない方のほうが多いでしょう。
サプリメントの商品開発・企画の概要や仕事内容を把握しておくことで、新規事業のアイデアを生むきっかけを作り出す場合があるので、しっかりと理解しておきましょう。
商品開発・企画(サプリメント)とは
サプリメントの商品開発・企画とは、体型や健康の悩みにフォーカスを当てた商品を企画・開発することです。
OEM商品は、粉末ドリンクや焼菓子など、得意先の要望に合わせてさまざまな商品を担当します。
担当は商品ごとに分かれている場合が多く、1年間に3~5アイテムを目安に企画・開発に携わります。
開発した製品を市場に出すだけでなく、利用者が製品を手に取り、またリピートするに至ってくれるまで、しっかりと製品に関わることを覚えておきましょう。
商品開発・企画(サプリメント)の仕事内容とは
サプリメントの商品開発・企画業務は、会社によって異なりますが、大まかな仕事内容は下記の通りです。
【市場のリサーチ】
販売するサプリメントの市場規模がどの程度あるのか、シェアや顧客ニーズを分析します。販売戦略の基軸となる部分ですので、丁寧にリサーチを行いましょう。
【企画立案】
市場のリサーチ結果に基づいて、商品の企画立案を行います。商品化にあたって細かな調整が必要になりますが、コンセプトとなる商品概要は細かく決めておきましょう。
【処方検討、原価計算】
企画立案までに調査した、利用者の処方検討や原価計算を行います。市場にある商品の値段に差が出ないようにする必要があり、利用者が望んだ結果が得られるように、不備が無いようにしましょう。
【パッケージ、ネーミング検討】
商品のパッケージやネーミング検討を行います。パッケージデザインや商品名は売れ行きを左右する部分です。部内を含めて検討し、キャッチーな商品になるよう工夫しましょう。
【外部業者との交渉、取引】
場合によっては、外部業者との交渉や取引を行います。OEM企業と生産の打ち合わせや配達業者と販売ルートなど、スムーズに販売を行うために必要な業務といえます。
【販売のPDCA】
販売を開始したら、より商品が売れるようにPDCAを回します。EC事業の強化やドラッグストアへの営業活動など、会社によって重視する販売戦略が異なりますが、より利益を伸ばすための改善は常に求められます。
大まかな仕事内容を紹介しましたが、会社によってデザインの委託やECサイトの保守など、細かい業務は多岐にわたります。
チームで分担して、最大限の利益を得られるよう、コミュニケーションを行いながら、抜け・漏れのないようにしましょう。
商品開発・企画(サプリメント)の流れをご紹介!
サプリメントの商品開発・企画からの流れを4ステップで紹介します。
- 情報収集、データ分析
- 商品コンセプトの企画
- 試作品の作成、テスト
- 試作品の評価
商品開発・企画は、今後の販売戦略の基軸となる部分ですので、しっかりと決める必要があります。
とはいえ、情報収集や試作品テストの結果によって臨機応変に、商品プランを変更することが望ましい場合があります。
どうすれば利用者が喜んでくれるかを念頭に置き、商品開発・企画を考えながら進めていきましょう。
情報収集、データ分析
商品開発・企画に着手する前に、まずは情報取集・データ分析を行う必要があります。
具体的には、市場調査・トレンド・顧客ニーズ・原材料データなど、商品開発に必要なデータを集めます。
また、開発する商品のシェア割合や市場調査などのデータ分析を行い、商品企画に役立てます。
販売戦略や目標売上など、商品を開発する際の指針になる要素なため、情報収集・データ分析は抜けや漏れが無いようにチーム全体業務を把握しましょう。
商品コンセプトの企画
情報収集・データ分析に不備が無く、おおまかなアイデアが決まったら、それぞれの商品コンセプトを企画していきます。
サプリメントの商品企画は、サプリメントを構成する処方・成分、味・種類のラインナップ、形状(剤形・カプセル)、ロット、包装・パッケージなど大まかに決めていきます。
商品企画を進めていくことで、商品を作成できる企業を見つけやすくしたり、打ち合わせでの情報共有がスムーズに進んだりできます。
商品の開発を効率的に進めるためにも、商品企画で決められる仕様はできる限り明確に決めておくとよいでしょう。
試作品の作成、テスト
商品コンセプトの企画が完成したら、試作品の作成・テストを行います。
生産設備が自社にあり、試作品の作成やテストができる企業であれば、生産部と打ち合わせを行い試作品を作成しましょう。
生産設備が自社にない場合は、健康食品を専門に扱うOEM企業を選定し、依頼を行う必要があります。
上記で作成した、商品コンセプトの企画にあった商品になるまで、納得のいく商品になるまで打ち合わせを重ねましょう。
また、作成した試作品の安全性確認や安定性試験などのテストを行い、問題ないか検証していきます。
試作品の評価
試作品のテストを行い、あらゆる観点から評価を行います。
試作品の段階で問題が発生していれば、試作品の作成からやり直し、あるいは商品企画からやり直す可能性があります。
サプリメントは健康食品として消費者に届けられるため、安全管理には自分たちだけでなくパートナーであるOEM企業にも細心の注意を払うように気を付けましょう。
商品開発・企画(サプリメント)を個人で行う際のリスクとは?
サプリメントの商品開発・企画を個人で行うには、リスクが高いといえます。
サプリメントの開発には、薬機法や食品表示法といった複雑な法律が絡んでおり、製造場所の届け出や製造許可を申請する必要があります。
また、各書類は認可制になっているため、審査が下りるまで時間と手間がかかります。
一方で、サプリメントを専門で扱うOEM会社であれば、既に許可を取得しているため審査をしなくても製造が可能です。
製造販売元としての責任をOEM会社が担うことで、特別な許可がなくてもサプリメントを開発・販売できるようになります。
また、サプリメントの販売であれば、特別な許可や資格が必要ないため、サプリメントで新規事業を行う場合は、菓子製造業の許可や食品表示法が適用されるOEM会社を選びましょう。
まとめ
サプリメントとは、健康を維持・増進に役立つ食品全般の事を指しており、保険機能食品制度や薬機法など、複雑な法律の下で管理されています。
しかし、体型や健康についての悩みは、多くの人たちが抱えている問題であり、それを解決する手助けを行うサプリメントは常に需要があるといえます。
そのため、商品企画の仕事内容は、顧客ニーズや市場規模の調査から始まり、シェアの選定は非常に大切です。
サプリメントの商品開発の流れは下記の4ステップで行われます。
- 情報収集、データ分析
- 商品コンセプトの企画
- 試作品の作成、テスト
- 試作品の評価
国民の健康を維持・増進を行うサプリメントが、健康を脅かす存在になってしまっては、企業だけでなく、業界全体に悪い影響を与えかねません。
試作品のテストや評価を可能な限り厳しく行い、商品を通じて消費者と信頼関係を築くことが、サプリメント開発で最も重要といえるでしょう。