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2022.2.25
【小ロット生産とは?】大ロット生産との違いや小ロット生産に適した商品を紹介

小ロット生産には自社に見合った発注量が可能なことから発注費用の抑制が可能な点、不良在庫を持つ可能性を軽減できる点などがメリットです。
しかし、小ロットと言われてもピンとこない人も多いのではないでしょうか。
そこで、小ロット生産に関して、特徴や大ロットとの違い、小ロット生産に適した商品についてを解説していきましょう。

 

小ロット生産とは?

小ロット生産とは、名前からもわかるように小さなロットでの生産です。
つまり、対義語として大ロット生産となりますが、小ロット生産を理解するためには、ロットについて理解しておかなければなりません。
ロットとは何かを知ることで、小ロットや大ロットとは何を指すものなのかも理解できることでしょう。

 

 

ロットとは

ロットとは、生産・出荷における最小単位です。つまり、1ロットは決して1個ではありません。
スーパーやコンビニ等、小売店では店内でスタッフが品出しをしている姿を見かけることもあるのではないでしょうか。
その際、段ボールから商品を出し、陳列棚に並べていますが、段ボールが1ケースだと考えてよいでしょう。6個入りの物、10個入りの物、12個入りの物など品目によってそれぞれ異なるものですが、いずれも段ボールの状態であれば「1ケース」だと数えます。
そして、ロットとは最小単位を現すものです。
つまり、1ロットが2ケースの物もあれば、1ロットが3ケースの物、あるいは1ケースの物など形状によって異なるのです。
ロットの設定に関しては、販売業者や物流業者の都合が影響します。
物流業者としては、1ケースの輸送も2ケースの輸送も、輸送費用はさほど変わらないでしょう。
理想を言えば、トラックに入る分だけ注文してもらいたいのです。しかし、小売店側の需要もあります。
トラックに入るだけの目一杯の在庫を抱えても、売れなければ不良在庫になってしまいます。不良在庫リスクを考えると、小売店側はできれば少なく入荷したいものです。いわばその妥協点がロットという考え方です。1ロット=2ケースであれば、2ケースから注文に応じることを意味します。

 

小ロット生産の特徴

小ロット生産とは、ロットの設定が小さいものを指します。
先にロットとは最小単位だとお伝えしました。
そして物流業者や販売業者の都合を勘がると、できれば多くのロットで注文してもらいたいものです。
小ロットとは、小さい単位で設定されたロットです。そのため仕入れる販売店側にとっては都合の良いものです。過剰在庫リスクを抑えられる点や、注文する商品数そのものが少なくなりますので、結果的に注文費用の抑制も可能です。
店舗側にとっては都合の良いものですが、発送する業者側にとっては、できれば多くのロットを注文してもらいたいところ。しかし昨今の需要の変化により、小ロットにも対応せざるを得ないのです。そもそも、生産する側とすれば大量生産した方が1個当たりのコストは低下します。なぜなら、生産費用は資材だけではなく、工場稼働費も必要です。資材に関しては個数と比例していますが、工場稼働費に関しては個数ではなく、時間に比例します。
そのため、生産能力を踏まえた効率的な稼働こそ理想になります。多ければ多いほど良い訳ではありませんが、基本的には多い方が生産1個当たりの費用は割安になるものです。その点、小ロットの場合は生産量が少ないので1個当たりの生産費用は高くなってしまいます。そのため、小ロット生産に対応していない生産業者もいれば、逆に小ロット生産を引き受けることを売りにしている工場もあります。

 

 

小ロット生産と大ロット生産の違いとは

小ロット生産と大ロット生産はそれぞれ異なるものです。
そレぞれの違いについて、より掘り下げてみましょう。

 

納期

小ロット生産と大ロット生産では、生産個数が異なりますので、納期が異なります。
小ロット生産の方が生産数が少ないので短納期になります。
そのため、小ロット生産か大ロット生産かで納期スケジュールの立て方が異なります。
ただし、工場の特性にもよりけりです。例えば工場の生産能力が1日1万個であれば、その個数内であれば納期はさほど変わらないでしょう。もちろん数時間程度は変わってくるのですが、大きな違いはありません。
しかし、発注数が2万個、3万個と異なるようであれば、日数にも差が生じます。この点は工場の生産能力によって左右される部分ではありますが、基本的に小ロットの方が納期は短いです。

 

単価

先にも少し触れましたが、単価に関しては大ロットの方が安くなります。
工場の稼働費用と資材費が生産費用になります。
勿論稼働費用には人件費も含まれますが、例えば1時間に1,000個の生産能力のある工場であれば、1000個生産する費用は1000個分の資材と1時間の工場稼働費です。そのため、2,000個、3,000個と数が変わっても、基本的には比例関係にあると考えられがちです。
確かに資材に関してはほぼ比例すると考えて間違いないのですが、工場稼働費用は1時間でも2時間でもそこまで大きな違いがありません。むしろ他のラインも稼働している工場であれば、1時間程度の差などあってないようなものでしょう。
人件費に関しては別ですが、稼働費そのものはさほど変わらないことから、大量生産の方が1個当たりの生産単価は安くなる計算になります。物によって変わる部分ではありますが、資材等の兼ね合いもありますので、基本的に大量生産の方が安くなると考えてよいでしょう。

 

生産場所

小ロット生産と大ロット生産は、基本的には生産個数の違いですが、大ロット生産の方が時間がかかるとお伝えしました。
そのため、それだけ工場のラインを確保しなければなりません。例えば数時間程度の稼働で終わる小ロットであれば、他の作業の空き時間に生産することも可能です。しかし大ロットの場合、長時間確保しなければなりません。また、それなりの生産能力を必要とすることから、大ロット生産には対応していない工場もあるでしょう。この点は工場側の生産能力次第ではありますが、小ロットのように少ない個数の生産には対応していても、大ロットには対応していない業者もいます。
この点は大ロットの生産が可能な工場の方が優れているという意味ではなく、特性の違いです。大ロット生産のためにはそれなりの設備や人手が必要になりますが、小ロットであればそこまで必要ではないでしょう。その点では小ロットの方が柔軟な生産が可能ですが、それぞれ特徴の違いであり、決して優劣の問題ではありません。

 

小ロット生産に適した商品とは?

小ロット生産と大ロット生産はそれぞれ異なる特性を持つものであることが分かっていただけたのではないでしょうか。
先に生産場所に関して、優劣ではなく特徴の違いだとお伝えしました。そのため、小ロット生産に適した商品もあります。そこで小ロット生産に適した商品をご紹介しましょう。

 

 

小売り用の販売品

小売り用の販売用品は小ロットが向いています。なぜなら小売り用の販売用品はサイクルが早いです。
時間がかかっても良いので大量に欲しいのではなく、少量で良いので急ぎで欲しい物は小ロットの方が都合が良いでしょう。特に売れると分かっているものであれば、生産が長くなると売り場の棚を空にする時間がながくなってしまいますので機会の損失となってしまいます。
小ロットで良いのですぐに確保したい販売用品は、むしろ大ロットとの相性が悪いので、小ロットの方が良いでしょう。

 

高くても少量のみ欲しい記念グッズ

小ロットとは、いわば少量生産となります。そのため、少量でも良いものは小ロットに向いています。
つまり、質より量ではなく、量より質のものです。例えば希少価値の高い記念グッズはこちらに該当します。
むしろ少量生産によって消費意欲を刺激することもできるのではないでしょうか。
売り切れとなってしまっても他社に顧客を奪われないものと考えても良いでしょう。オリジナリティのあるものもこちらに該当します。小ロット生産は量は少なくなりますので、多くの人の手に取ってもらいたいものには向いていません。しかし、限られた人間のニーズに応えるものであれば問題ありません。ファングッズ、限定商品等は、むしろ小ロットでも何ら問題ないでしょう。

 

まとめ

小ロット生産について掘り下げて解説させていただきました。大ロットと比較されることが多いですが、大ロットと小ロットはどちらが優れているのかを競うものではなく、それぞれ特性が異なるものなので、それぞれの特性を理解し、どちらの方が向いているのかを踏まえ、生産を考えましょう。小ロットにせよ大ロットにせよ、自社戦略とマッチしていれば、効果的な戦略を可能にするはずです。