OEMを活用することで、事業の幅は広がります。実際OEMを活用することで、それまでの事業とは全く関係ない事業に乗り出し、成功している業者もいます。
一方で、OEMがまだよく分からない、馴染みがないという人もいるようです。そこで、OEMとは何かについてやOEMに特化したOEMメーカーについてを解説していきましょう。
目次
OEMとは?
OEMとは他社製品製造事業です。
他社からの依頼を受け、自社工場にて生産したり、あるいはその他社に依頼をすること全般を指します。
もちろんこれは契約を締結し、双方が合意しているものであって、決して相手を騙したり騙されたりといったものではありません。
そしてOEMはいわばwin-winなビジネスモデルです。
なぜなら、依頼をする側は自社で設備を用意する必要がありません。自社工場不要なので、OEMを活用することで自社工場がなくとも自社ブランドを立ち上げることができます。
一方、生産を受託する側としても工場・設備を稼働させることで対価を得られます。
かつて、工場は本部からの意向を受け、生産を行っていました。本部の生産計画に基き、工場を稼働させ、生産品を小売業者や消費者に販売し、利益を得る。これが従来の一般的なビジネスモデルでした。
しかしOEMは依頼者と受託者が別になります。上から指示を受けて生産するのではなく、別業者と生産契約を締結して生産・製造します。つまり、売上は関係ありません。
納品した生産品が売れないとしても、生産者側には関係ありません。いわば業務効率化を象徴したスタイルがOEMになります。
そしてOEMメーカーとは、そんなOEMによる受託の専門業者です。自ら販売を手掛ける傍ら、空いているリソースでOEMを引き受けるのではなく、あくまでもOEM専門になりますので、消費者がOEMメーカーの姿を見聞きする機会はありません。
しかし、世の中には既にOEMが珍しくなくなっていますので、知らず知らず、OEMメーカーのお世話になっているのです。
OEMの定義
OEMには明確な定義がありません。数値が設定されていることもなく、あくまでも他者の製品を製造したり、あるいは製造を依頼する業態がOEMです。
つまり、OEMにも様々なスタイルがあります。
例えば先にOEMを依頼する側は自社工場が不要だとお伝えしましたが、工場も様々です。自社の工場では生産できないものを他社に依頼するというOEMもあります。その一例が自動車業界です。
自動車業界はOEMが古くから盛んに行われている業界ですが、自動車業界はいずれも自社工場を保有しています。
ではなぜOEMなのかといえば、例えばトヨタや日産、マツダのように軽自動車を生産していないメーカーが、軽自動車メーカーにOEM生産を依頼します。
そして、名前を変えて販売しているのです。
例えば日産から販売されている「デイズ」は、三菱から販売されている「ekクロス」と同じものですし、マツダから販売されている「フレア」はスズキから販売されているワゴンRです。
このように、自社の生産ラインにはない車種をOEMで補完することで、製品のラインナップを拡充させていますので、決してOEMは「工場を保有していない業者が依頼するもの」ではありません。また、我々にとって身近なアイテムであるiPhoneもOEMです。Appleも自社工場ではなく、OEMメーカーに生産を依頼しています。
つまり、「大手は行っていない」とも言えません。これらを踏まえると、OEMは他社に生産を任せることこそ、その定義だと考えることができます。
OEMの略とは?
先からOEMという言葉を連呼していますが、OEMとはOriginal Equipment Manufacturing、あるいはOriginal Equipment Manufacturerの略称です。
日本語に訳すと他社製品製造になります。
先にもお伝えしましたが、OEMには厳密な定義はありませんが、敢えて言うのであればこの日本語訳が意味するように、他社の製品を製造することこそ、OEMだと考えてよいでしょう。
人気のおすすめOEMメーカー5社をご紹介
OEMメーカーは、依頼を受けて製造するのみです。
しかし、そのスタイルから多くの業者から頼られています。つまり、OEMメーカーを頼ることで手軽にそれまでノウハウの無い品目を販売したり、自社ブランドを持つことも可能です。
そこで、評判の良いおすすめのOEMメーカーを5社ほどご紹介しましょう。
・カンナビボタニカル株式会社
植物に含まれている天然成分、カンナビジオール(CBD)原料製品に自信を持っているOEMメーカーです。
厚生省からの認可を受け、製造だけではなく企画開発まで行っています。また、小ロットからの受託製造を引き受けてくれる点もポイント。サプリメントからコスメ、フードなど、CBDを利用した品目のOEM生産を行っています。
2014年創業と比較的新しい会社ではありますが、CBDに関しては日本発となる国産CBDの製造を行ったことで知られています。
生産はもちろんですが、企画から相談に乗ってくれるメーカーなので、初めてOEMをと考えている業者や、コスメ等のジャンルに初めて進出する業者におすすめ。
ちなみに販売支援も行っていますので、OEMはもちろんですが、ビジネスそのものに取り掛かったばかりの新進気鋭の事業者にもおすすめです。
・アイ・エル・シー株式会社
収納インテリアの会社です。
製造だけではなく、企画・設計まで手掛けている業者ですが、OEM事業も展開しています。OEMに関しては規格から開発、製造、そして納品まで一括管理を行っていることで品質を担保。
OEMも行っていますが自社でも製品を展開していますので、OEMだけを提供している業者ではありません。
工場は国際マネジメント規格であるISO9001:2000及びISO14001:2004認証工場となっており、およそ380名の従業員が高品質の製品を製造します。
・エムテックス有限会社
元々は原田食品の一部署だったものの、商品開発専門会社として独立し、OEMも行うようになりました。
こんにゃくに力を入れているメーカーで、自社でこんにゃく製品も販売していますが、他にも機能性食品やデザート、スナック菓子、麺など様々な食品を研究・開発しています。
研究開発に力を入れているメーカーらしく、固定概念にとらわれない挑戦を行い、様々な品目を販売しています。
OEMに関しては大々的にはアピールしていませんので、OEMを行っているのかと疑問を持つかもしれませんが、OEMの実績がありますので、食品のOEMメーカーを探している方や、こんにゃくへのこだわりに興味のある方は相談してみるのもよいでしょう。
実際、こんにゃく以外にも低カロリー米麺や低たんぱく米麺、レンコン麺、さらには自然薯団子や自然こんにゃくチップやこんにゃく煎餅など、こんにゃくを上手く活用したこんにゃく以外の品目の開発も行っています。
・株式会社タイトウトレーディング
株式会社タイトウトレーディングは中国の泰東グループの企業です。FA(ファクトリーオートメーション)機器メーカーの中国現地化スペシャリストで、自動化装置、自動化装置の部品、LEDライトやアルミ構造を用いた製品を手掛けているメーカーです。
自動化装置の一貫生産、LED照明器具、加工部品などのOEMを手掛けており、製造だけではなくニーズに見合った製品の企画・提案から行っています。これまでのOEM実績も豊富で、日本語にも対応しています。
また、OEMだけではなくアフターサービスも行っています。販売も含め、事業に対して様々な形でのサポートが期待できます。
・株式会社マックス
化粧品のOEMメーカーです。
石鹸から液体せっけん、入浴剤、基礎化粧品などを手掛けています。元々はレモン石鹸を製造販売していたメーカーで、その後は時代のニーズに合った商品を展開するようになりました。
その歴史は古く、1905年(明治38年)に創業すると、東南アジアや中南米への輸出事業も手掛けるなど成長を遂げました。
企業のモットーは「悩みを解決する」こと。何が問題なのかを踏まえての商品開発を行うことで、利用者・消費者の悩みを改善し、希望を叶える。これが株式会社マックスの開発コンセプトです。また、内科・皮膚科医をアドバイザーとして迎えていますので、医学的見地を取り込んだ開発を行っています。
「株式会社マックス」という名称はあまり聞いたことがない人が多いかもしれませんが、これまでに株式会社マックスが製品は店頭で並んでいるものも多々ありますので、その点では多くの消費者にとって身近なOEMメーカーだと考えることもできます。
まとめ
OEMメーカーについて様々な角度から解説させていただきました。
OEMには具体的な定義がありませんので、OEMメーカーもまた、様々なタイプがあることが分かります。
つまり、OEMそのものが自由なスタイルで、必要とする形でのサポートを求めることができる、ビジネスモデルの一つだと分かるのではないでしょうか。
決してOEMだけに固執するのではなく、会社として何をすべきなのか。目的を達成するための手段の一つにOEMがあるのです。