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D2Cビジネス情報
2022.1.24
【D2Cのメリットとは?】D2Cの概要や成功のポイントをご紹介

D2Cは、近年スモールビジネスとして注目を集めており、多くのメリットがあります。
D2Cのメリットを活かし、ビジネスとして成功するポイントを抑えておけば、成功する確率は高まるといえるでしょう。
今回はD2Cについて詳しく知りたい方やD2Cbジネスで成功したい方はご覧ください。

D2Cとは?

ビジネスシーンでよく使われる「D2C」という単語ですが、近年副業を行っている方や個人ブランドを立ち上げた方などが使っており、目にする機会が増えているのではないでしょうか。D2Cの概要・基本情報と国内のEC事業が、どのように発展しているかの現状について、解説します。

D2Cの意味とは?

D2Cとは、「Direct-to-Consumer」の略称で、メーカーなどの製造者が小売店や代理店などを挟まず、消費者と商品の取引をする販売方法のことを指します。インターネットの普及とともに、製造者にとって消費者との接点のため必要だった、直営店の運営が必ずしも必要でなくなりました。
代わりにSNSやECサイトを活用して、製造者と消費者が直接コミュニケーションを通じながら商品販売を行うのが特徴です。近年では、スモールビジネスの手段の一つとして注目を集めており、業界問わずさまざまな方がD2Cで新規参入を行っています。

D2Cの現状について

D2Cの市場規模は日本国内で大きく成長しています。
国内の市場規模は、売れるネット広告社が2020年に行った調査によると、D2C市場は2019年で2兆300億円あり、2025年までに3兆円に達する見込みだとわかりました。また、2021年7月30日に経済産業省が発表した「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」によると、EC領域におけるBtoC商品の分野ごとの割合が確認できます。

 

(※出典元:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました | 経済産業省)

上記のグラフによるとD2Cを含めたEC市場規模は、物販系分野のBtoCが半数以上を占めており、現状における市場規模の大きさが伺えます。

出典:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました | 経済産業省

さらに、BtoC-EC市場規模の内訳をみると、「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」(2兆3,489億円)、「衣類・服装雑貨等」(2兆2,203億円)、「食品、飲料、酒類」(2兆2,086億円)、「生活雑貨、家具、インテリア」(2兆1,322億円)の割合が大きく、これらの上位4カテゴリー合計で物販系分野の73%を占めています。
理由としては、スマートフォンの普及や世界的パンデミックの影響で、在宅で過ごす消費者が増え、巣ごもり需要が増加したことがあると考えられます。

D2Cのメリット・デメリット

D2C事業は、市場規模としては増加傾向にあり、多くの人が参入していることから、さまざまなメリットがあることが伺えます。
一方で、デメリットもあるため、正しく理解して運用することが大切です。メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。

D2Cのメリット

D2Cのメリットの1つは、仲介業者が発生しないため、商品のコストを安くできる点です。
一般的にメーカーの商品を販売する場合、総合商社や運搬業者など、さまざまな仲介業者が関わってくるため、その都度商品に仲介手数料が発生します。仲介業者が多くなるほど、商品の単価は高くなってしまうため、場合によっては原料の品質を落としたり、大量発注によるコスト削減を実施したりして、商品の価格を調整する必要が出てくるでしょう。一方で、D2Cでは製造業者に直接商品の製造を依頼します。
そのため、仲介手数料が発生しないため、高品質・低価格商品の作成が可能です。
メリットの2つ目は、ブランドのコンセプトを中心とした商品戦略を行えます。D2Cでは、自社サイトを自由にカスタマイズしてコンセプトを伝えることができ、商品のパッケージ・同梱物・お客様窓口など、さまざまな要素をブランディングできます。
消費者が自社サイトを訪れた際、コンセプトが分かりやすいことによって、このサイトは自分が好きかどうか、瞬時に判断することが可能です。コンセプトが全く違う商品を、無機質に陳列するよりも、商品の良さやブランドの世界観を伝えることができます。3つ目のメリットとして、消費者と直接コミュニケーションできる点です。D2Cで展開した自社ブランドのファンになってもらうには、消費者とのコミュニケーションが必須だといわれています。
消費者の「こういう商品がほしい」「ここが使いづらい」などの声を反映させて、よりよい商品作りが可能であり、今後のプロモーションに活かせます。また、自社サイトを分析することで、売れ行きの良い商品や興味の持ちやすい商品の把握ができ、顧客ニーズをつかみやすいため、効率的な販売が行えることでしょう。

D2Cのデメリット

一方で、D2Cのデメリットとして、専門的な知識を有する場合が多い点を留意しておかなければなりません。
D2C事業の多くは、インターネットに自社サイトを掲載して、集客を行う必要があります。しかし、インターネットには現実の店舗より多種多様な情報が溢れており、消費者に自社サイトにたどり着いてもらわなければ、商品の購買に至りません。
インターネットのプロモーションには、SEO対策・リスティング広告、SNS広告といったwebマーケティング知識を活用し、PDCAをまわしながら自社の商品とマッチする売り方を見つけなければなりません。また、webマーケティングは、実施できればすぐに効果が現れるものでもなく、長い時間をかけて運用します。
専門知識に加え、時間がかかるため、D2C販売のデメリットといえるでしょう。2つ目のデメリットは、競合他社が多いことも挙げられ、市場規模から見ても分かる通り、D2Cは年々拡大しています。
D2Cは運用が難しい反面、参入しやすい点や自分の思いや夢をかなえる手段として、用いられるビジネスモデルであり、市場に多くの競合他社が存在します。先ほどにも記述した通り、インターネットには多くの情報が溢れており、同じようなビジネスを行っているD2C企業のサイトも含まれます。コンセプトやニーズなど細かい違いはありますが、そういった中で販売をしていかなければならないことを覚えておきましょう。

 

 

D2C成功のポイント

D2Cを成功させるポイントは下記3点です。

  • SNSは顧客と交流する手段
  • 顧客情報からよりいい商品へ
  • 顧客の体験を重視

D2Cは、顧客と一緒にブランドを作り出すことに特化したビジネスモデルといえるでしょう。
一方的に伝えたいことを伝えるのではなく、顧客と足並みを揃えてブランドを成長させることが、成功の秘訣といえるでしょう。

SNSは顧客と交流する手段

D2Cにおいて、SNSでの戦略は顧客と交流する手段として用いることが成功のポイントです。
成功している企業の多くは、顧客が自主的に反応を示し、体験や感想などの生きた情報を企業が得られる仕組みを作っています。反対に、失敗してしまうD2C企業は、一方的に情報発信の手段として活用しており、顧客が介入する余地がないことが多いです。
顧客とコミュニケーションを行うことで、「このブランドは私たちの意見を参考にしてくれる」「このブランドは私たちのことを考えてくれている」という実感を与え、一緒にブランドを作り出す意識が、顧客をファンにしてくれます。
顧客の意見を参考にしすぎてしまい、コンセプトが崩壊してしまってはいけませんが、顧客とコミュニケーションを取り、共に育てていく仕組みを作ることが、D2Cを成功させるポイントの一つです。

顧客情報からよりいい商品へ

顧客情報を基に、よりいい商品開発へつなげることも成功のポイントといえるでしょう。
商品を基にした顧客の意見は、商品開発や商品の改善などに大きく貢献します。
そのため、顧客が商品の情報を発信しやすい環境づくりも大切です。アパレルD2Cを例に挙げると、顧客の反応で「どういったシーンで使われるか」「ファッションアイテムとしてどのように活用されているのか」など、実際に利用した情報が分かれば、その意見を軸とした新しいアイデアが生まれやすいかもしれません。
また、情報によって想定される改善案や修正が、具体的にイメージしやすく、よりいい商品の改善案になります。顧客の声は、商品開発の要であり、商品の質を左右する重要な要素です。ファンとして意見してくれる方を大切に、商品の改善に取り組みましょう。

顧客の体験を重視

商品を通じた顧客の体験を重視している企業は、成功するといっても過言ではありません。一昔前であれば、「いい製品には勝手に人が集まってくる」という意見が一般的でしたが、現代においては通用しません。なぜなら、似たような商品はたくさん溢れており、そのほとんどがいい製品だからです。では、顧客は似たような製品の中で、何を基準に商品を選ぶかというと、顧客体験だといわれています。
高い製品であまりよい体験を得られなかった顧客は離れますし、安い商品で満足のいく体験が得られた顧客はまた買ってくれます。また、同価格帯であってもサービスの質や種類の好みによって変わってくるでしょう。実際に販売する商品のコンセプトを守りながら、どのような体験を与えられるか考えてみましょう。

まとめ

D2Cとは、「Direct-to-Consumer」の略称で、メーカーなどの製造者が小売店や代理店などを挟まず、消費者と商品の取引をする販売方法のことを指します。
国内の市場規模は年々増加しており、中でも物販系分野が半数以上を占めており、参入障壁の低さやメリットの多さなど、さまざまな要因があります。一方で、デメリットもあり、以下のようなメリット・デメリットが挙げられます。

【メリット】

仲介業者が発生しないため、商品のコストを安くできるブランドのコンセプトを中心とした商品戦略を行える消費者と直接コミュニケーションできる

【デメリット】

専門的な知識を有する場合が多い競合他社が多い

また、D2Cを成功させるポイントは3つあります。

  • SNSは顧客と交流する手段
  • 顧客情報からよりいい商品へ
  • 顧客の体験を重視

一方的に伝えたいことを伝えるのではなく、顧客と足並みを揃えてブランドを成長させることが、成功の秘訣といえるでしょう。

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