D2Cに取り組む企業が増えているのは、それだけD2Cにメリットがあるからこそです。
D2Cは様々なメリットが含まれているビジネスモデルであると共に、決して難しいものではなく、取り組むハードルに関しては比較的低いことから、取り組みやすい点も特徴です。一方でまだまだD2Cについて名前は聞いたことがあるけど実際にはよく分かっていない会社も多いようです。
そこでD2Cの基本的な情報についてや、沖縄にはD2Cに取り組んでいる会社はないのかなどをリサーチしてみました。
D2Cの特徴
D2Cとはdirect to consumerの名称から名付けられたビジネスモデルです。
「direct」という名称が用いられていることからもわかるように、企業や販売者が顧客である消費者に直接販売する手法です。
インターネット時代では、店舗や流通網がなくとも消費者に直接販売が可能です。
しかしD2Cはただ直接販売するだけではありません。
消費者とのコミュニケーションを深めることで販売をと考えています。
むしろ販売はもちろんですが、販売を通して自社そのものを知ってもらいたい、自社のファンになってもらいたい。
このような願いが込められているのがD2Cです。
自社のファンとなってもらうことで、新商品・新サービスにいち早く反応してもらえるようになりますし、リピートにも期待できます。
いわゆる常連客になってもらうことも視野に入れたビジネスモデルです。
一般的な販売業は、あくまでも商品を販売するだけです。
もちろん常連客になってくれることは嬉しいことですが、あくまでも商品を販売するのみでした。しかしD2Cは商品の販売だけが目的ではなく、なぜそのような商品を販売しているのか。
どこにこだわりを持っているのか等、会社としての姿勢もアピールしますので、商品を購入する消費者は、商品を通して会社の存在そのものにも理解を示します。この点は表現方法の多様性に繋がります。
例えばクール、スタイリッシュな商品・サービスを販売したいのであれば、サイトのデザインもクール・スタイリッシュなものにすることでより訴求力を高めることができます。商品・サービスだけで考えるのではなく、サイトデザイン等まで自社で考えられる点もD2Cの特徴です。
また、D2Cは直接販売になりますので、顧客データを集めやすい点もメリットです。
販売時に個人情報を入力してもらうことでデータを入手できます。
そして販売が増えれば増えるほど、様々なデータが蓄積されます。
どのような層に人気があるのか、いつ購入されているのか、どのサイトからアクセスしたのか等のデータは、その後のマーケティング戦略にも役立つことでしょう。強みを生かして更なる商品開発を進めるのも良いですし、訴求できていない層にどのようにアプローチするのかを考えるのも良いでしょう。
蓄積されたデータは、会社にとって貴重な財産となるものですが、それらも自動的に入手できる点もD2Cの特徴です。
そしてD2Cは対応力も特徴です。
D2Cは自社だけで展開するものです。
従来のように、消費者の手元に届くまでに卸売りや小売りを挟みません。
そのため、自社だけで決めることができます。例えば流行の兆しを見せているものにいち早く取り組むこともできます。卸売りや小売りに断られかねない商品・サービスの提供とて可能です。このことから、トレンドやニーズに対していち早く対応できる点もD2Cの特徴です。
D2Cの市場規模
D2Cは日本国内だけのビジネスモデルではありません。
世界でもまた、注目を集めているビジネスモデルなので、国内外を問わずにD2Cに取り組んでいる企業が増えています。結果、D2Cの市場規模は成長傾向にあるとされています。
そこで国内外それぞれの市場規模についても見てみるとしましょう。
日本の市場規模
「売れるネット広告社」が行った調査によると、D2Cの市場規模は2019年の段階で2兆300億円とのこと。
ちなみにそれ以前の数字は下記となっています。
- 2015年:1兆3,300億円
- 2016年:1兆4,700億円
- 2017年:1兆6,200億円
- 2018年:1兆8,300億円
上記からもわかるように、D2Cは着実に成長を遂げています。
ちなみに2025年には3兆円を突破するとの予測もあります。
ここでポイントとなるのが、上昇割合です。
決して急激に伸びているのではなく、ほぼ均等に伸びています。
つまり、一定の需要の元で成長することが見込まれています。
これはD2Cが決して流行的なものではなく、一つのビジネスモデルとして日本国内で定着していることを意味しています。一過性のものでは、ここまで安定した成長を見せませんが、D2Cは2015年以降、安定して一定の成長を見せています。急速に普及するものは、飽きられてしまうのも早いのですが安定して成長しているD2Cは、今後も日本国内に於いてさらに存在感を増すことが予測されています。
海外の市場規模
D2Cの海外市場も見てみるとしましょう。
アメリカのデータとして、2019年はおよそ8.5兆円、2020年でおよそ12兆円とのデータがあります。
さらに、2023年には18兆円になるとの予測もあります。
日本よりも人口が多い国であり、かつ日本よりも先にD2Cが広がっていた背景を踏まえても、驚異的な数字だと考えてよいでしょう。そしてこの数字には、実は深い意味が込められています。というのも、日本のビジネスモデルはアメリカの後追いが多いです。
かつて日本のビジネスは「アメリカより10年遅れている」と揶揄されることもありました。
この言葉をそのまま捉えるのであれば、アメリカで流行したものが10年後には日本でも流行することを意味します。
この言葉はインターネットが普及する前の話なので、情報伝達速度が速まったインターネット普及後の今の世の中では、当てはまるとは言い難い部分もあります。しかし、アメリカで支持を集めたものが日本でも集めることは多々見受けられます。
そのアメリカでD2Cがこれだけ大きな支持を集めており、さらには更なる成長まで見込まれている点を踏まえると、日本は、先にお伝えした予測以上の成長を遂げる可能性を秘めていると考えることもできます。むしろD2Cはアメリカよりも日本の方がマッチしているとの声もあります。
そもそもD2Cはアメリカのシリコンバレーで生まれたとされるビジネスモデルですが、個別にコミュニケーションを深める行為は、むしろ日本人の方が向いている・マッチしているのではないかとされています。
沖縄にあるD2C企業をご紹介!
D2Cに取り組んでいる会社は多々ありますが、沖縄にもあります。
そこで、沖縄でD2Cに取り組んでいる会社をご紹介しましょう。
株式会社D2C dot
こちらはコンサルティングの会社です。
主にデジタルマーケティングの領域にてビジネスを展開しています。
東京にもオフィスを構えているのですが、沖縄にもオフィスを構えており、かつ沖縄ではデジタル産業を盛り上げるべく、イベントを開催することも。D2Cで何かを売るのではなく、取引先にD2Cの手法をコンサルティングするという形の会社です。
まとめ
D2Cが大きな注目を集めている理由や沖縄にあるD2Cの会社を紹介させていただきました。
沖縄にはまだまだ会社は少ないですが、日本、さらにはアメリカのD2Cの今後の市場規模を考えると、沖縄にD2Cの会社が増えても決して不思議ではありません。
その点では、今後沖縄にどれだけD2Cの会社ができるのかはD2Cの今後を占う意味でも注視すべき部分なのかもしれません。