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2022.3.9
【戦略的に導入】プライベートブランドの導入方法を解説!

 

プライベートブランドという言葉。皆さんも一度は耳にしたことがあるかと思います。しかしプライベートブランドについて実はあまりよく分かっていないという方も多いかと思います。そこで今回はプライベートブランドについて、基本情報だけでなくプライベートブランドを導入するメリットや、導入事例なども紹介していきます。

 

プライベートブランドとは?

プライベートブランドとは、流通業者や卸売業者など一般的には、自社の商品ブランドを持たない企業が展開する自社商品のことを指します。一般的に小売店で販売されている商品は、製造メーカーが商品の開発を行い、流通業者・卸売業者を介して商品が販売されます。
こうした販売方法は、「ナショナルブランド」と呼ばれており、生産量の安定や全国への展開がしやすいなどのメリットがあります。一方、プライベートブランドは仲介業者である卸売業者や流通業者が、商品の開発を行っているため、仲介手数料が必要ありません。そのため自社ブランドの商品を安く販売でき、ファンとして定着してくれれば売上が増える可能性があると、近年注目を集めています。

 

プライベートブランドの導入方法

プライベートブランドの導入方法は2つあります。

  • ・既存製品に自社のロゴを入れる
  • ・既存製品を改良して生産を委託する

ブランドや商品を通して、消費者にプライベートブランドであると訴求することが大切です。導入方法について一つずつ解説します。

 

既存の製品に自社のロゴマークを入れる

既存の製品に自社のロゴマークを入れる方法があります。
基本的に販売されている商品は、製造メーカーが権利を保有しているため、既存製品に自社のロゴマークを入れることはできません。しかし製造メーカーが作っている企業とパートナー契約を結ぶことで自社のロゴマークを入れることができます。
契約の内容にもよりますが、パートナー契約を結ぶことで自社事業として商品を販売します。例えば海外で販売されている商品がある場合、その商品を仕入れるのではなく、製造元とパートナー契約を締結します。その後、パートナー企業に自社ブランドを入れた商品を作ってもらい、プライベートブランドとして売り出します。

 

生産を委託する

生産を委託する方法もプライベートブランドを導入する方法の1つです。
メーカーに依頼し、自社の商品を作ってもらうことでプライベートブランドとして販売します。
生産を委託することを「OEM」と呼び、開発・企画を行った商品を、メーカーに製造依頼を行う方法です。
広義で見ればプライベートブランドもOEMの一種です。自社で開発・企画を行うため、消費者のニーズにあわせた商品を作りやすく、他社にない商品を作れます。そのため商品を購入するためには、自社ブランドでしか販売していないため、顧客の獲得につながりやすい特徴があります。OEMについて詳しく知りたい方は「【商品開発にはOEMがおすすめ?】OEMの商品開発の流れやポイントを紹介」をあわせてご覧ください。

 

プライベートブランドの導入するメリット

 

プライベートブランドを導入するメリットは下記4つです。

  • ・利益率が高い
  • ・強みを生かすことができる
  • ・ブランドイメージの向上
  • ・顧客の囲い込みが可能

プライベートブランドには、ナショナルブランドにはないメリットがたくさんあります。
そのためプライベートブランドの運用を適切に行えば、効率的に自社の事業を伸ばすことができるでしょう。

 

利益率が高い

利益率が高いのはプライベートブランドのメリットです。
プライベートブランドは、販売するまでの過程で卸売業者や流通業者などの仲介業者が、仲介することはありません。そのためナショナルブランドに比べて、仲介手数料が必要なくなるため仕入原価は下がり、同じ値段で販売した時の利益率は高くなります。
また価格を安くしたり品質を高めることで、競合他社の製品よりよい製品だと認知されれば、より効率的に利益を伸ばすことが可能です。仲介手数料など消費者に見えないコストを削減することで、効率的に利益を挙げられるため、プライベートブランドの利益率は高くなることを覚えておきましょう。

 

強みを生かすことができる

プライベートブランドは、自社製品として強みを活かすことができます。
販売している店舗や地域によって消費者のニーズは異なりますが、どんな商品にニーズがあるか一番分かっているのは販売している現場であるといえるでしょう。プライベートブランドは、自社で商品を企画・開発を行うため、消費者のニーズに合った商品を提供することができます。
消費者のニーズに合った商品に自社のブランドロゴが入っている場合、認知にもなるため宣伝広告費を抑えることにつながります。一方で、しっかりと消費者のニーズを把握していないと、効率的に利益が上がらない可能性があります。販売数や顧客の年齢層、店舗の特色を理解し、消費者ニーズを正確に把握するよう努めましょう。

 

ブランドイメージの向上

プライベートブランドは、商品の評価がブランドイメージに直結します。
プライベートブランドは自社ブランドのロゴを表記しているため、ナショナルブランドの中でも、どの企業が製造しているのか分かりやすい商品といえるでしょう。そのような商品が商品の質や価格が優れている、あるいは消費者のニーズを的確にとらえていた場合、商品を通じてブランドイメージが向上することでしょう。商品のブランドイメージが向上すれば、認知度が広がったりと客足が多くなったりと、顧客満足度の向上によるイメージアップが狙えます。販売数の管理や接客によって、おおよその年齢を把握できる販売店だからこそ、日々訪れる顧客のニーズを把握しやすいです。
そのため、より消費者が求めている商品を開発できれば、ブランドイメージの向上につながり、より利益を向上させることができると考えられます。

 

顧客の囲い込みが可能

プライベートブランドは顧客の囲い込みによって、固定客を作りやすいメリットがあります。
プライベートブランドの商品は、競合他社で販売していない商品であるため、欲しい商品がプライベートブランドの商品だった場合、自社ブランドの店舗に足を運ぶ必要があります。一方で、ナショナルブランドの商品は、競合他社も扱っている可能性が高く、競合他社で買い物を済ます可能性があります。
人によりますが、買い物をする場合は複数の店舗をはしごして購入するよりも、一つの店舗で買い物を済ませたい人の方が多いでしょう。プライベートブランドの商品を気に入った場合、その店舗のファンになる可能性が高く、固定客として囲い込むことが可能といえるでしょう。

 

プライベートブランド導入事例

プライベートブランドを導入している店舗は多くありますが、本記事では下記2社を紹介します。

  • ・セブンイレブン
  • ・西友

大手スーパーや大手コンビニのほとんどが、プライベートブランドを販売しているため、どんな狙いがあるのか、またどう展開してきたかを学ぶよい機会といえるでしょう。
それぞれ解説します。

 

セブンイレブン

セブンイレブンは、プライベートブランドで成功した企業といえるでしょう。
ほとんどのプライベートブランドの商品は、既存のナショナルブランドの製品に近い商品を安価で売ることに注力しています。
一方セブンイレブンでは反対の戦略を行っており、あえて高級・高品質なプライベートブランド「セブンプレミアム」を展開しました。プライベートブランドの商品を、高級・高品質に位置づけることで、「セブンイレブンは高品質なものを販売している」というイメージを作り出しました。プライベートブランドによって、企業のイメージを確立させた事例として、最も参考になる企業といえるでしょう。

 

西友

西友は、「みんなのお墨付き」というプライベートブランドを成功させている企業です。
みんなのお墨付きは、消費者から人気の商品だけを販売しているプライベートブランドです。
公式ページではみんなのお墨付きの支持率を公開しており、80%以上のものだけが販売されています。自社ブランドの展開により、消費者の目線で考えてくれる企業として認知されているため、さまざまな人から愛されているスーパーといえるでしょう。

 

まとめ

 

プライベートブランドとは、流通業者や卸売業者など一般的には、自社の商品ブランドを持たない企業が展開する自社商品のことを指します。プライベートブランドの商品を通じて、ファンとして定着してくれれば売上を増加させる可能性があるため、多くの業界でプライベートブランドの導入が進められています。プライベートブランドの導入方法は2通りあります。

  • ・既存製品に自社のロゴを入れる
  • ・既存製品を改良して生産を委託する

自社で生産能力を持っていない限りは、外部の製造メーカーの力を借りて展開していくこととなるので、OEMの基礎知識や流れなどを把握しておくとよいでしょう。またプライベートブランドを導入するメリットは4つです。

  • ・利益率が高い
  • ・強みを生かすことができる
  • ・ブランドイメージの向上
  • ・顧客の囲い込みが可能

プライベートブランドは、消費者に見えないコストやイメージへ訴求することができます。
そうした気遣いを行っていくことが、顧客満足度につながり、固定客として愛される企業になるといえるでしょう。
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