D2C参入のハードルを下げてくれる存在であるOEMとはどのようなものかご存じでしょうか?あなたのD2Cビジネスの起業をサポートしてくれるOEM会社の探し方だけでなく、OEMのメリット・デメリットや連携する際の注意点など、様々な観点で解説しているのでこれからD2Cビジネスを始めようと考えている方は必見です!
目次
D2Cとは?
D2Cとは、「Direct to Consumer」の略称で、ブランドを手がけている企業が小売店や代理店などを挟まず、消費者と直接商品の取引をする販売方法のことを指します。古くから存在する取引形態とは全く異なるビジネス形態であり、スマートフォンやパソコンなどインターネットを中心に、スモールビジネスとして販売戦略を行っているのが特徴です。
実店舗と違って商品を見に来たユーザーに直接的なアプローチができないため、SNSなどで情報発信をしながら中長期的な販促を行う必要があります。
OEMとは?
OEMとは、「Original Equipment Manufacturing(Manufacturer)」の略で、他社ブランドの製造をする(製造をする企業)という意味を示す言葉です。分かりやすい例でいうと、軽自動車のウェイク(ダイハツ)とピクシスメガ(トヨタ)は同じ製品ですが、どちらもダイハツが製造しています。
アパレル・化粧品・食品など、ジャンルを問わずさまざまな製品がOEM会社で作られているため、身近な製品の商品ラベルや取扱説明書に明記されている製造業者を確認すると、意外なOEM関係が発見できることがあります。
OEM会社を探す方法とは?
実際にD2Cブランドを始めるにあたってOEM会社を探す方法についてご紹介します。
インターネットで検索する
1番簡単な方法として、インターネットで検索する方法があります。
[自分が始めるD2Cの業種、商品]+[OEM]などでキーワード検索を行うとたくさんのOEM会社がヒットします。
業種やキーワードにもよりますが、OEM会社のホームページが出る場合もあれば、業種毎にまとまっているサイトもあったりするので、リストを作るなど有効に活用しながらOEM会社を探しましょう。
工場に紹介してもらう
インターネットでヒットしにくいニッチな業種であれば、OEM会社を他の工場に紹介してもらう方法が有効な場合があります。
商品1つをとってもたくさんの企業の助けがあって始めて製品が世に送り出されています。特にインターネットに力を入れていない企業は人脈を大切にしており、仲間意識が強いため業界の筋に精通している場合が多いです。取引先の選択肢を増やすためにも、信頼できる関係性を構築しながら、謙虚な姿勢で紹介してもらえるかどうか提案してみましょう。
業界の川上からアプローチする
商品は基本的に、業界の川上に位置している企業の方が原価率が低く、川下に位置している企業の方が原価率が高くなります。
アパレルで例えるとするとそれぞれ、糸を開発している繊維メーカーが川上で、生地を使って商品の製造を行っている工場が川中、商品を販売している小売店が川下に位置しています。業界によっては、川上に位置している企業がOEMを行ってくれることがあるので、まずはアプローチを行い、断られてしまったら協力関係にある企業を紹介してもらうなどしてみてください。
OEMのメリット・デメリットとは?
D2Cを始める人がOEM会社と連携するメリット・デメリットは何があるのでしょうか。それぞれ確認していきましょう。
OEMのメリット
OEMのメリットは、工場設備を持たなくても生産が可能になることです。D2C参入において最も大きな課題は商品を製造することですが、工場の建設や運営には莫大な資金力が求められます。しかしD2Cを始める人にとっては資金が足りないケースがほとんどでしょう。
そのため元々工場を運営している会社にOEMを頼むことによって、商品製造までの初期費用を大幅に削減できるのが最大のメリットです。
OEMのデメリット
OEMに商品の製造を頼むデメリットは、委託に頼ってしまうため自社の技術力や開発力が育たないことがデメリットとして挙げられます。
ブランドが持つ技術力や開発力が高くOEMへの依存度が小さい場合、工場からの技術やノウハウを得ることができ、より良い商品開発に繋がります。
しかしOEMへの依存度が大きい場合、自社で製造を行わないため技術力やノウハウを受けられず、ユーザーのニーズに応えられる商品を作ることが困難になる可能性があるため注意しなければなりません。
OEMで発注する際の注意点
OEMで発注する際の注意点は、工場の得意分野をしっかりと理解しできる限り明確に商品イメージを伝えることです。
工場によって得意となる分野は異なり、工場にとって得意分野ではない商品の依頼はクオリティの低下を招きかねないためお互いにとって良くない結果になりかねません。また、OEMで製造する商品はできる限り明確にイメージを伝える必要があります。商品のイメージのズレは、ブランドとOEMの関係性にヒビが入る可能性があります。商品の特性と工場の得意分野が合っているか確認ができたら、商品のイメージを言葉だけでなくデザイン画と一緒に提出すると良いでしょう。できるのであればOEM会社にサンプルを作ってもらい互いの商品イメージにズレがないか確認することがベストです。
スモールビジネスにOEMが最適な理由とは?
OEMは、小さく事業を進められるスモールビジネスにとって最適な手段の一つです。
スモールビジネスにとってOEMが最適な理由は4つあるので、それぞれ紹介します。
1. 小資本で商品の生産ができる
OEM会社と連携を行うことで小資本で商品の生産ができます。
OEMに依頼することで、本来必要な設備投資のコストを抑えるができるため、リソースが限られているD2C企業が小資本で商品の生産体制を整えることができます。
2. 企画、開発、販売に専念できる
スタートアップのD2Cは資金だけでなく人材も足りないケースがほとんどです。
そのため少人数で企画・開発・販売など多くの業務を掛け持ちしながら進めていく必要がありますが、生産にかかる時間や労力をOEMに依頼することで削減することが可能です。OEMができることはOEMに任せて、他の業務に専念することで効率よくスモールビジネスとしての運営ができます。
3. 在庫リスクの抑制
D2C事業の初期段階では、在庫を極力抑えながら需要に合わせて生産量をコントロールする必要があります。
そのためには小ロットに対応しているOEM会社を探し、依頼を行う手段が最も最適な方法といえます。
4. 需要の増加に対してタイムリーに商品を供給できる
商品の需要が急増した場合、自社での製造が追いつかなくなる可能性があります。
自社だけで賄えるに越したことはありませんが、OEMに生産を委託することで急激な需要の増加にもできる限りの対応を行うことができ、タイムリーに商品を供給できます。
OEM:まとめ
D2Cを始めてから安定するまでの間、常に資金や人材などのリソース管理が大きな課題としてつきまといます。そのため多くの企業がインターネットや工場などにアプローチを行っており、工場設備を持たなくても生産体制を確保して商品展開を行っています。D2Cの特性とOEMの得意分野、双方のメリットを活かしながらユーザーのニーズに歩み寄っていくことで、より良いブランドイメージへと発展させていくことが重要です。価格だけで判断するのではなく、的確なアドバイスやサポートをしてくれる良いパートナーと巡り合い、成長する企業がD2Cで成功する企業といえるかもしれません。