飲料品のOEMを始めるためには、いくつかの手順があります。事前に把握しておくことで、飲料品の販売に至るまでの過程をスムーズに行うことができるようになります。また、飲料品のOEMを始めるうえでのメリットやデメリットを理解し、効率的な運営方法を本記事で学びましょう。
目次
OEMとは?
OEMとは、「Original-Equipment-Manufacturing(Manufacturer)」の略称であり、他社の製品を製造すること、または他社の製品を製造する企業のことです。
EC事業との相性がよい特徴があり、自動車・アパレル・化粧品・雑貨など多岐にわたっており、販売を主に行っている企業がOEMを活用しています。
現在は、飲料品を扱う販売企業が注目を集めており、飲料品を専門的に製造を行っている企業が市場の拡大を続けています。
また、世界的パンデミックの影響もあり、健康志向の高まりや通信販売インフラの発展に伴い、飲料品の需要が増加中です。
飲料品のOEMを始めるメリット・デメリットとは?
注目度の高い飲料品OEMですが、メリット・デメリットがそれぞれあります。
メリットを十分に活用することで、スムーズな事業運営や販売戦略をとることができます。
一方で、飲料品のOEMを始めることのデメリットについても事前に理解しておくことで、事前に対策を講じたり、将来的なリスクを回避することにつながるためしっかりと把握してくことが大切です。
飲料品のOEMを始めるメリット
飲料品のOEMを始めるメリットは下記3つが挙げられます。
- ・低コストで飲料品の生産ができる
- ・技術力・生産ノウハウを得られる
- ・商品の開発・販売に専念できる
それぞれ、詳しく解説していきます。
低コストで飲料品の生産ができる
OEM企業を活用すると、低コストで飲料品の生産が可能です。
飲料品の販売事業を行うには、初期コストで工場や土地などの不動産や、工場の維持費や人件費などをかけた生産業務が必要不可欠です。
しかし、OEM企業に生産に関わる業務を委託することで、本来かかるはずの初期コストを削減することができます。
また、生産設備を用意する時間や工数を削減することが可能なため、金銭的なコストだけでなく、時間や業務工数のような目に見えないコストの削減にもつながります。
技術力・生産ノウハウを得られる
飲料品をOEM委託することで、OEM企業から技術力・生産ノウハウを得られるメリットがあります。
詳しくは後述しますが、飲料品のOEM生産を行うにあたって、飲料品の企画や仕様を説明するにあたって情報共有が必要です。
その際、飲料品をよりよくするための意見交換が行われる場合がありますが、その際OEM企業が持つ情報によって技術力が得られることがあります。
また、高品質な商品を作成するために技術指導を行う場合があり、生産設備を持っていなくても生産段階のノウハウを得られる可能性があります。
OEM企業を通して、技術力・生産ノウハウを得られることは、将来的な事業運営に役立つことでしょう。
商品の開発・販売に専念できる
飲料品の開発・販売に専念できるのも、OEMを利用するメリットといえるでしょう。
飲料品に関わらず、商品の販売までには多くの業務が伴います。
企画・開発段階では、マーケティング施策の選定・競合調査・シェアの算定など、商品の今後を左右する重要な情報を集めます。
また、販売では顧客コミュニケーションなどを通じて関係性を構築したり、店頭に商品を置いてもらう営業活動を行わなければなりません。
いずれも重要な業務ですが、本来であればこれらの業務に加えて生産・製造業務が加わります。
しかし、生産・製造に関わる業務を委託するため、全体で見た業務は大幅に削減できる点が魅力です。
飲料品のOEMを始めるデメリット
飲料品のOEMは、メリットだけでなく以下2つのデメリットも内在します。
- ・生産部分の自社ノウハウを蓄積できない
- ・生産による収益増加が見込めない
メリットと同様に、これらデメリットについて詳しく解説致します。
生産部分の自社ノウハウを蓄積できない
生産部分の自社ノウハウを蓄積できないデメリットがあります。
OEM企業との協力によって、ある程度生産ノウハウを得ることができますが、自社で生産管理を行う場合に比べて、生産ノウハウを蓄積できません。
また、生産・製造から新商品や商品の改善案が生まれてくる可能性がありますが、自社で管理していないため、難しくなってしまいます。
生産による収益増加が見込めない
生産による収益増加が見込めないデメリットも覚えておく必要があります。
自社で生産を行っている場合、販売数に応じて生産が収益に直結しますが、OEM企業に生産を委託している場合、商品の生産そのものが損失になってしまいます。
生産数の増加は商品のコストを上げることになってしまい、自社生産に比べて収益率が悪くなってしまうことは把握しておきましょう。
短期的な目線でみると、いずれのデメリットも軽微といえますが、OEMへの委託が長期化するほど深刻なデメリットになる可能性があるため、注意しておきましょう。
飲料品のOEMを始める方法をご紹介!
飲料品のOEMを始めるためには、以下の6ステップが必要です。
- ・打ち合わせ
- ・見積もり
- ・試作、試飲
- ・本依頼
- ・製造
- ・納品
OEMの始め方を理解しておくことで、新規事業をスタートした際にスムーズに進められるため、事前に把握しておきましょう。
打ち合わせ
自社で企画・開発した商品を作成するため、OEM企業と打ち合わせを行います。
基本的に、企画した商品が実現可能かどうかをすり合わせるため、商品のパッケージや成分など、細かい仕様の情報共有をしましょう。
場合によっては、全ての要求を叶えることができず、一部仕様変更を余儀なくされる可能性はありますが、OEM企業が代替案を提示してくれる可能性があるため、抜け漏れが発生しないようしっかりと話し合いましょう。
見積もり
商品の大まかな内容が決まり次第、見積もりが提示されます。
飲料品の内容やロット数によって金額が変わるため、企画の段階で行ったシェア算定や市場調査によって、必要な生産数を決めましょう。
もちろん、宣伝や営業活動によって、想定された販売数より上回る可能性や、逆に思ったより売れ行きが伸びない可能性があります。
基本的には、ロット数が大きいほど1つあたりの単価は安く済みますが、在庫リスクもあるため、慎重に決めましょう。
試作、試飲
本格的に製造を開始する前に、商品の試作・試飲を行います。
この段階で、味や香り、色など商品の品質を決める要素に問題があった場合、再度打ち合わせを行うなど、満足のいく商品になるまで作り直しましょう。
注意点として、試飲は必ず複数人で行うようにしましょう。
個人で試飲を行った場合、個人の好みなどが反映され、顧客ニーズに合った商品か正当に判断ができなくなる恐れがあるためです。
本依頼
試作・試飲で問題がない商品が完成しましたら、本依頼を行います。
本依頼を行うと、商品の変更ができなくなるため、納得のいく飲料品になってから本依頼を行いましょう。
製造
本依頼された飲料品を実際に製造します。
この段階では、OEM企業に任せてしまうため、納品後に向けて販売活動を開始しましょう。
ECサイトで予約キャンペーンを行ったり、SNSで告知したりとユーザーの反応によって、今後の販売戦略の参考になる可能性があるため、商品が無くてもできることを行うことが大切です。
納品
飲料品の作成が完了すれば、商品が納品され、本格的に販売が開始できます。
事前に販売が決まっているのであれば、購入したユーザーの元へ配送したり、必要数が足りないようであれば追加で依頼を行うなど、臨機応変に進めていきましょう。
また、商品の販売後ユーザーの改善案などがあれば、OEM企業にお伝えすることをおすすめします。
OEM企業は、販売を行わないため、ユーザーとコミュニケーションを行うことはありません。
しかし、高品質な商品を作成するためにも、ユーザーの声を伝え、一緒に改善していくことで、パートナー企業として信頼されるでしょう。
飲料品 OEM:まとめ
OEMとは、「Original-Equipment-Manufacturing(Manufacturer)」の略称であり、他社の製品を製造すること、または他社の製品を製造する企業のことです。
近年では、OEM生産が注目を集めており、業界を問わずOEM生産を行っており、飲料品を扱う企業も例外ではありません。
また、OEM企業にはメリット・デメリットがそれぞれあります。
【メリット】
- ・低コストで飲料品の生産ができる
- ・技術力・生産ノウハウを得られる
- ・商品の開発・販売に専念できる
【デメリット】
- ・生産部分の自社ノウハウを蓄積できない
- ・生産による収益増加が見込めない
いずれも正しく把握しておくことで、メリットを活用し、デメリットを回避することが大切です。
飲料品のOEMを始める手順は下記6ステップです。
- ・打ち合わせ
- ・見積もり
- ・試作、試飲
- ・本依頼
- ・製造
- ・納品
始め方を事前に把握しておくことで、スムーズに打ち合わせを進めておき、できるだけ早い販売活動を行えるようにしましょう。