ECサイトの作り方は、自社が運営しているビジネス規模によって選ぶべきECサイトが異なるのはご存じでしょうか?
本記事では、ビジネス規模に応じてどのECサイトの作り方を選ぶべきなのかなど、これからEC事業を始める人が欲しい情報を紹介しています。
目次
ビジネス規模によって異なる3つのECサイトの作り方とは?
ECサイトは、インターネット販売を支える店舗の役割をもっており、事業を支えていく大きな柱となるため妥協できない部分といえます。しかし、ビジネス規模によって適切なサイト制作方法を選択しなければ、ECサイトによって事業の運営が困難になる危険性があります。以下3つの製作方法をしっかりと理解し、ビジネス規模に合わせたECサイトを選定しましょう。
個人の場合は無料ASP
ECサイトは、誰でも簡単にECサイトを作れる無料ASPがあります。
無料ASPを使ったECサイトのデザインは、シンプルであり選択肢はほぼありません。また、利用する無料ASPによって異なりますが、決済が行われる度に3%~5%の決済手数料を支払う必要があります。
しかし機能面に関しては最低限揃っており、トラブルや不明点などに対応してくれるため、企業に比べて予算の少ない個人での利用では、売上が安定するまで十分主力のECサイトとして活躍してくれるでしょう。
無料ECサイトでの売上が安定してきて、ECサイトのデザイン性を高めたり、ドメイン名を取得したくなったりなど、利用したいサービス拡張に向けて有料アップグレードを行うとよいでしょう。
ちなみに、無料ASPから後述する有料ASPにアップグレードした場合、無料ASPのドメインが利用できなくなるため、新規でドメイン作成を行う必要がある点に注意しましょう。
EC年商1億円未満の法人は有料ASP
ECサイトによる年商が1億円未満の企業の場合や新規事業としてECサイトを作る場合は価格の安い有料ASPから始めるのがおすすめです。
現在の有料ASPはECサイトとして多機能であり、ユーザーが接する商品画面や決済画面の機能として優れているため十分に活用できます。
また、「海外向けECサイト」「定期販売サービス」「BtoB」など、会社の事業によって特化した有料ASPが存在しており、自社の提供するサービスをより魅力的に訴求することが可能です。
そのため、有料ASPの導入を検討している場合は自社の提供するサービスを固めておくのはもちろんのこと、公式ホームページに記載されている有料ASPの活用事例をチェックし、使用感や利用方法について調べてから利用するのをおすすめします。
EC年商1億円以上の企業は「パッケージ」や「クラウドEC」
ECサイトによる年商が1億円を超えている企業であれば「パッケージ型EC」や「クラウド型EC」を活用することをおすすめします。パッケージ型ECやクラウド型ECは、あらかじめ土台が用意されているASP型ECと違い、ほとんど新規の状態からECサイトを構築することになります。そのため、在庫管理システムや出荷管理システムなど、自社で使っているサービスと連携することが可能であり、ECサイト外の業務負担を減らし効率的な事業運営を行えるようになります。
しかし、その分ECサイトの作成難易度が高く、UIを追及したECサイトを構築しながらシステムを連携させられるシステム開発企業はそう多くはありません。信頼できるシステム開発会社を選定するためにもコンペや会社説明に参加し、各社の特徴・予算・セキュリティ面など、さまざまな観点で客観的に選ぶことが重要です。
無料ASPのECサイト制作手順とは
無料ASPを使ったECサイトの制作手順は4ステップによって完了します。
無料ASPへの登録
利用する無料ASPの公式サイトを訪れ、設置されている「無料会員登録」から登録作業を行いましょう。
登録作業は画面の指示に従って、入力・確認作業を行うだけであり、求められる入力は無料ASPによって異なりますが下記の3つです。
- メールアドレス
- パスワード
- ショップURL
ショップURLは、オプションとして独自ドメインを追加できます。ブランドコンセプトが決まっており、こだわりを持ってECサイトを運営していく方は独自ドメインの運用でモチベーションを高めることができます。
しかし売上に大きく左右する要素ではないため、特にこだわらない方であれば無料で使えるサブドメインから利用するとよいでしょう。
ECサイトのテンプレートを選択
無料で利用できるASPでも、数十種類のデザインテンプレートから、商品のコンセプトに合ったテンプレートを選びましょう。
また、メインカラーの選択などが可能なため、「色が合わないからテンプレートを選べない」といったケースは少ないといえます。
ECサイト運営に最低限のカスタマイズ性をもってはいますが、あくまで主役は販売する商品であり、ECサイトは商品を引き立たせる役割をもっていますので、最初のうちは目立ちすぎるデザインは控えておくのが無難です。
商品登録
ECサイトに販売する商品を登録していきます。
ユーザーが商品を購入する直接的な接点であり、売上を決める重要な部分ですのでこの部分はこだわりをもって丁寧に行いましょう。
写真の見せ方や枚数、商品の説明文に使う文言など、商品に興味をもったユーザーに商品を買ってもらうため、必要であろう情報を適切に埋めていくことが大事です。
テスト注文をしてみる
無料ASPの登録が完了したら事前にテスト注文を行い、注文までの流れの把握や機能面での不具合がないかなどチェックしておきましょう。
チェックに問題が無ければ登録・確認は完了ですので、販売を開始するためECサイトを公開しましょう。
基本的には、画面の指示に従って入力を進めていくだけで公開まで完了するため、非常に簡単な作業でECサイトを制作することができます。
「パッケージ」や「クラウドEC」のECサイトを開設するまでの手順とは
パッケージ型ECやクラウド型ECのECサイトは、外部システムと連携させる必要になるため、1年の制作期間を要することも少なくありません。
パッケージ型・クラウド型のECサイトを開設する手順としては、以下の3ステップです。
- 既に利用している基幹システムや在庫管理システムの確認
- ECサイト構築を行えるシステム会社の選定&打ち合わせ
- 納品されたECサイトの確認
自社で優秀なシステム開発部門があれば変わってくるかと思いますが、基本的にはシステム開発会社に依頼するため、開発の助けになる情報の共有がメインといえます。
ちなみに、外部システムの連携や画面カスタマイズを後回しにすることで、納期の短縮や開発費用の削減が可能なため、ECサイトを構築した後にカスタマイズしていくこともできます。
ECサイトの構築にかかる相場とは?
ECサイトの構築にかかる相場は、大きく分けて3つの相場に分かれます。
- 低価格でECサイトを構築する場合の相場:0~10万円
- 中価格でECサイトを構築する場合の相場:10~500万円
- 高価格でECサイトを構築する場合の相場:500万円以上
ECサイト制作時の注意点
ECサイト制作時、「分かりやすいECサイトになっているのか」に注意する必要があります。
見栄えの良いECサイト構築を行っても、使い勝手が悪ければ商品を購入してくれるユーザーは離れてしまいますし、無駄な機能や情報を入れすぎてしまうとユーザーが欲しい機能や情報を見つけづらくなってしまいます。
サイト内の導線として重要となる部分を目立たせ、ユーザーが欲しい情報へ誘導できるサイト設計を心掛けるとよいでしょう。
ECサイト 作り方:まとめ
ECサイトはビジネス規模によって、最適な制作方法は異なります。
個人で始める場合や全くノウハウがない状態である新規事業の場合は、無料ASPからECサイト制作を行うとよいでしょう。
ECサイトとして必要最低限の機能を備えており、簡単な登録作業で事業の売上が安定するまでの間、しっかりと役割を果たしてくれます。
また、EC事業の売上や連携させたいシステムの有無によって、有料ASPやパッケージ型・クラウド型のECサイトを制作する方が最適な場合があります。
自社のフェーズに合わせてどんなECサイトが必要なのか、ユーザーのニーズと照らし合わせながら考えておくことが重要です。
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