小ロットはスピード感がある一方で、個数は期待できません。
そのため、売れ行きの良い大量に必要なものは小ロットではなく、大ロットで発注した方が良いでしょう。
しかし、小ロットに向いているものもあります。そこで小ロットとは何を意味するものなのかや、小ロットでおすすめのアイテム、さらには制作時の注意点についてを解説していきましょう。
目次
小ロットとは?
小ロットとは、小さいロットを意味します。ロットとは、オーダーの最小単位です。
そして、個数は品目によって異なります。
1ロット=100個の物もあれば、1ロット=10個程度のもの、あるいはさらに少ないものもあります。この単位が小さいものを小ロット、大きいものを大ロットと称します。大ロット、小ロット共に生産行為ですが、受注する生産者・工場側にとっては大ロットの方が魅力的です。なぜなら、大ロットは大量生産になりますので、利益が良いです。特に同一品目の大ロットであれば、最小限の設定のみで、後は定められたルーティンをこなすだけでよいのです。
品目が異なる場合、環境や設定の変更を行わなければなりませんので手間がかかりますが、同一商品・製品であればその手間も無用です。小ロットの場合、手間はかかりませんが数が少ないので大ロットと比較すると利益は低いです。しかし、数が少ない分時間がかかりません。
そのため、売れ行きの良いものは小ロットで依頼した方が、在庫ロスをなくすことができますし、小ロットと大ロットの発注を上手く組み合わせることで、在庫をコントロールできます。また、小ロットは発注数が少ないものなので、発注・依頼サイドにとってはリスクヘッジになります。
工場にとっては生産を受注することで利益になりますが、依頼した販売者は依頼した生産品が売れてこそ、利益になります。つまり、売れなければ利益になりません。売れなかったものは過剰在庫となり、処分に困ることでしょう。大ロットで発注した製品が不良在庫となってしまっては、依頼した費用分損失となってしまいます。売れなければ赤字となるのは小ロットでも同様ですが、個数が少ない小ロットの方がリスクが低いです。
このように、依頼側と受注側では立場が異なるものです。しかし、むしろ大量に生産できないもの、あるいは大量に生産する必要がないものは小ロット生産に向いていると考えることができます。その一つがノベルティです。ノベルティは利益を目指したものではなく、販促の一種です。そのため、大量に生産しなければならないものではありませんので、小ロットの生産でも何ら問題ないのです。
小ロットノベルティ作成におすすめの商品5選
ノベルティは小ロットと相性の良いものです。
しかしノベルティもまた、様々な種類が登場しています。
そこで小ロットに向いているおすすめのノベルティをいくつかご紹介しましょう。
エコバッグ/トートバッグ
エコバッグやトートバッグは、小ロットに向いているノベルティだといえます。
活用してもらうことで自社のアピールにもなりますが、決して広く普及させる必要性が高いものではありません。
エコバッグやトートバッグは、近年はノベルティとして広く普及していることもあり、利益を生み出すためには、それなりに開発に力を入れなければなりませんが、シンプルなものであれば販促品として割り切った方が良いでしょう。
利益を目指す訳ではありませんが、もらう側としては実用性の高いものですし、保管に多くのスペースを必要とするものでもありませんのでノベルティとして適しています。また、急ぎで配布しなければならないものでもなければ、是が非でも欲しいと思う人もそうそういないでしょう。
つまりニーズが高くはありませんので、小ロットの生産で良いですし、ノベルティである以上、在庫を切らしたところで機会損失にはなりません。あくまでも軽く渡せるもので、かつ使ってもらえたら儲け物的なものです。小ロットでも十分でしょう。
タンブラー/マグカップ・ボトル
ペットボトルではなく、マイカップやタンブラーを利用する人が増えていますので、こちらもノベルティとして適しています。
自社のエンブレム・マーク等が入ったノベルティを使用してくれることで認知度アップにつながりますし、タンブラーやマグカップ、マグボトルは需要が高まっている一方で、エコバッグやトートバッグよりは個性が求められています。
つまり、利用者としては多少個性を出したいところになりますので、どこででも手に入る物より、ノベルティの方が保有意欲を刺激することが可能です。ただし、タンブラーやマグカット・ボトルはエコバッグと比較すると生産費用が高くなりますので、大量に配布するとなれば、それなりの出費となります。
販促費用の枠を超えてしまいかねませんので、小ロットで十分でしょう。むしろ生産数の少ないノベルティである点が需要を高め、話題となって自社のアピールになる可能性もあります。
除菌/ウィルス対策グッズ
除菌やウィルスに対する意欲が高まっていることから、こちらもノベルティに向いています。
但し、こちらも大量生産するとなればそれなりの出費を伴うものなので、小ロットで十分でしょう。
除菌やウィルス対策グッズは実用性が高いです。受け取った側としても、いつかは使えるものです。つまり、高い販促効果を見込めます。例えば持ち運びやすいアイテムであれば、鞄に入れて人前で使用するケースもありますので、自社の認知度拡大に貢献してくれます。
また、除菌やウィルスのノベルティを出すことで話題になるケースもあれば、社会情勢を敏感に感じ取る、社会的責任感の強いメーカーだとアピールすることもできます。一方で、除菌・ウィルス対策グッズは世の中にたくさんあります。
利益を得ようと思えば多くの強豪と戦わなければなりませんので、オンベルティとして配布するくらいが丁度良いですし、あくまでもノベルティである以上、大ロットにて大量生産する必要はありませんので、小ロットで良いのです。
文具/オフィス用品
文具やオフィス用品は多くのビジネスマンにとって身近な物であり、かつ実用性の高い物であればどれだけ大量にあっても困るものではありません。そのため、ノベルティとして配布しやすいです。一方で、実用性の高いアイテムであれば実際に使用してもらえる可能性が高いことから、認知度拡大に繋がりやすいです。
希少性が高ければ、社内で話題になり、やがては拡散されてSNS等で話題を集める可能性もあります。
また、こちらも商品化するとなれば多くの強豪と戦うことになりますので、勝利を収めることが難しい商品・ジャンルです。
その点ではノベルティとして扱うに丁度良いジャンルです。
実用性が高く、話題になる可能性を秘めているという点ではノベルティに適していますが、こちらも決して大量に配布する必要性はありません。あくまでも少数で良いものなので、小ロットでも十分でしょう。
PC用品/スマホ用品
もはや使用していない人を探す方が難しいほど普及しているPCやスマホ関連のアイテムもまた、ノベルティとして有効です。
なぜなら、PCやスマホ関連は実用性が高い一方で、特にスマホ関連用品に関してはある程度の個性が求められます。他人と同じ物は嫌だ、自分だけの物を使いたい。このようなニーズを向けられているジャンルになりますので、ノベルティとして配布することで、使用してもらえる可能性が高いです。つまり、知名度向上が期待できます。
小ロットでノベルティ制作する際の注意点
ノベルティは小ロットと相性の良いものですが、小ロットで制作する際には、いくつか注意しなければならない点があります。
これらはノベルティを制作する前の段階で把握しておきましょう。
単価が高い
小ロットは基本的に単価が高くなりやすいです。
ましてやノベルティの品目によっては加工に費用がかかりますので、単価が高くなってしまいます。
利益のためではないノベルティに高額な予算を割くことになります。
広義では広告・宣伝費になりますが、広告・宣伝費とて予算の枠があるはずですので、予算内で収まるのか、改めて確認しておきましょう。
対象商品が限られる
ノベルティはあくまでも広告・宣伝のためのものであって、安定的な利益を得るためのプロパー商品ではありません。
だからこそ、小ロットで良いのですが、すべての品目をノベルティにできる訳ではありません。
先にノベルティに向いているアイテムを紹介しましたが、ノベルティに向いている、あるいはノベルティ化が可能なものもあれば、不可能なものもあります。そのため、ノベルティを考えるときには、小ロットの生産が可能なアイテムなのか、事前に確認しておく必要があります。
もしもですが、確認を怠ってしまった場合、ノベルティ化できないアイテムで話を進めてしまい、生産直前になってノベルティにできないと知らされる可能性もあります。
納期
小ロットは基本的には短納期になりますので、スピード感があります。
それもそのはず、生産・発注個数が少ないので、大ロット・大量生産と比較すると短納期です。
しかし、ノベルティの場合、生産工程が複雑なものもありますので、一般的な生産品と比較すると、時間がかかるケースがあります。
例えば自社マークやエンブレムを刻印する場合で、かつ初めて依頼する業者の場合、自社マークやエンブレムのデータがありませんので、それらのデータの引き渡しから行わなければなりません。そのため、ノベルティを小ロットで発注する場合、ある程度納期に余裕を持っておきましょう。
小ロット ノベルティ:まとめ
小ロットとノベルティは相性が良い点が多々あることが分かっていただけたのではないでしょうか。
もちろん注意しなければならない点も多々ありますが、ノベルティの特性と小ロットの親和性は高いです。
アイテムによっては消費意欲まで刺激することになるノベルティは、SNS等で話題になることで費用対効果も高まりますので、気軽に自社や商品・サービスの知名度向上を狙いたいのであれば、まずは小ロットからノベルティの制作にチャレンジしてみるのもよいでしょう。