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D2Cビジネス情報
2022.4.5
【話題】大注目のD2Cで日本企業の有名な事例と成功ポイントをご紹介

 

D2Cへの注目度が高まりを見せているのは、素晴らしい手法である点だけではなく、実際にD2Cにて成功を収めている企業が増えている点にあります。D2C企業とも呼称されるように、D2Cに積極的に取り組む企業が増えることでD2Cの成功事例が増えており、ますますD2Cへの注目度が高まる好循環が生まれています。
そこで実際に、どのようなD2C企業が成功を収めているのかをご紹介しましょう。

 

D2Cの特徴とは?

D2C企業のご紹介の前に、そもそもD2Cとは何を意味しているのかをご説明していきましょう。
D2Cとはdirect to Consumerの頭文字です。
DTCではなくD2Cとなったのはちょっとした遊び心なのでしょう。
いずれにせよ、消費者との直接取引を意味します。
それまで商品を販売するのは小売店・販売店の領域でした。
メーカーはあくまでも設計や開発・製造を行うのであって、商品を販売するのは小売店・販売店でした。
例えばポテトチップスを例に取るとポテトチップス製造のための原材料の手配、原材料を調理・加工、パッケージングして製品化し、出荷。ここまでが製造業者の領分でした。
そして、実際にお店で販売するのはスーパーやコンビニといった販売店です。かつてネットが無い時代の一般的な販売方式でしたが、ネットが登場したことで商品販売のあり方にも変化が見えています。公式サイトやネットショップにて販売すれば、小売店や販売店を挟む必要がなくなります。ポテトチップスを製造し、サイトを通して直接消費者に販売することで、中間マージンのカットが可能なだけではなく、消費者と直接やり取りするのでコミュニケーションが深まります。
結果、ポテトチップスを購入してもらうと共に、自社への理解を深めてもらうなど、自社の「ファン」になってもらうことが可能です。これまでのように、小売店・販売店に頼った販売方法では、開発・製造メーカーは消費者と直接触れ合う機会がありませんでした。また、販売を小売店や販売店に一任する形となっていたので、販売価格さえ自ら決めることができませんでした。
結果、開発・販売メーカーの知らないところで安売りされていることもありました。安売りが多ければ、「安売りするメーカー」とのイメージがついて回りますが、自社の努力ではなく、小売り・販売店の行動にて自社に勝手なイメージがついてしまうことにもなりかねませんでした。価格だけではありません。販売場所、陳列方法等もあくまでもお店側の裁量次第。勝手に安売りされたり、あるいは纏め売りに出されたり見切り品として激安価格で販売されることもありました。しかしD2Cであれば、販売に関しても自社で決めることができます。小売りや販売に頼らない販売方式となりますので、自社の思うがままに販売を行えるなどD2Cにはメリットが多々あります。
これらはネット環境があるからこそ行えるものなので、ネット環境が当たり前となった現代社会だからこそD2Cが普及していると考えられます。かつて、物を売るためには店舗が必要でしたし、店舗に頼らない販売方法は通販しかありませんでした。通販の場合、宣伝に力を入れなければなりませんでしたので、結局はそれなりに費用が必要でしたが、D2Cであれば自社サイトさえあれば実現可能です。つまり、規模の小さな会社・企業ではあってもD2Cにチャレンジできるのです。

 

D2C企業の成功事例4選をご紹介

D2Cを取り入れることで成功を収めているD2C企業は増えています。
そこで成功事例として4社ほどご紹介しましょう。
それぞれ異なるジャンルではありますが、幅広いジャンルの企業がラインナップしているところに、D2Cの汎用性の高さを垣間見ることができるのではないでしょうか。

 

DUO(プレミアアンチエイジング株式会社)

プレミアアンチエイジング株式会社が提供するDUO。
スキンケア、メイク、ヘアケアなど美容に関するアイテムを販売しており、プレミアアンチエイジング株式会社の売上のおよそ9割がDUOです。さらに、DUOの売上のおよそ7割がインターネット販売です。小売店でも取り扱いがありますが、主にインターネットを介して販売しており、さらには利用者の9割以上が定額購入となっていることから、収益に安定性をもたらしています。
なぜDUOがここまでD2Cにて成功しているのかといえば、instagramとの連携が挙げられます。企業の戦略に於いて宣伝戦略は重要ですが、instagramにて、影響力のあるインスタグラマーやインフルエンサーを積極的に活用しています。もちろんinstagramだけではなく、インターネット上全般、さらには好調を記録することでテレビコマーシャルにも乗り出すなど、宣伝に力を入れています。宣伝によってDUOに信頼性を持たせ、購入者に安心感をもたらしています。インターネット上には多くの商品があります。消費者にとって気になるのは、「本当なのか」という点です。宣伝文句は果たして本当なのか。特にDUOは美容品です。消費者が最も気になるのは使用することで効果が出るのかという点や、安心して購入しても良い企業なのかですが、インフルエンサーや大物タレントを起用することで安心感を与えました。もちろん実際に商品を購入するサイトも清潔感と分かりやすさを備えたものにするなど、D2C企業として成功を収めています。

 

Foo Tokyo(株式会社Next Branders)

パジャマやリラックスウェアを取り扱っている株式会社Next BrandersのD2Cブランドが「Foo Tokyo」です。
Foo Tokyoはライフスタイルブランドとして、家にいる時間に上質感をとのコンセプトにて商品を展開しています。成功の影にあったのは、株式会社Next Brandersが展開した販売戦略です。
株式会社Next BrandersではWEBマガジンを作成し、Foo Tokyoのアイテムのイメージアップに一役買っています。どのように使用するのか、使用することでどんな生活が待っているのかなどを提案。積極的にFoo Tokyoの商品を紹介することで知名度アップを図りました。一方で、WEBマガジンは決してFoo Tokyoだけを紹介するのではなく、あくまでも顧客の上質感ある生活の演出のためのアイテムの紹介を徹底しました。つまり、Foo Tokyo以外の商品の紹介を行うこともあります。株式会社Next Brandersが目指したのは「自社の商品の紹介」ではなく、あくまでも「閲覧者が求めるものの提供」でした。このような姿勢が共感・信頼を生み、Foo Tokyoのブランドバリューが向上し、D2C企業として成功を収めています。

 

よなよなエール(ヤッホーブルーイング株式会社)

ヤッホーブルーイング株式会社はビールの製造メーカーです。
それまでビールと言えばコンビニやスーパーで購入する消費者が多かったものですが、オリジナリティ溢れるクラフトビール、「よなよなエール」をECサイトで販売し、ヒットを記録しています。実はよなよなビールを展開するヤッホーブルーイング株式会社は、1999年をピークに売上が減少しており、苦境に立たされていました。
そこで社長がネットビジネスを学ぶことで、ネット販売に活路を見出しました。メルマガやサイトを構築するなどデジタル環境を整えました。これだけを聞くと、さほど珍しい話には聞こえないかもしれません。しかし、冒頭でもお伝えしましたが、かつてビールといえばスーパーやコンビニで購入するもので、わざわざ通販で購入するものではありませんでした。つまり、当時としては画期的な手法だったのです。また、そこでは商品名は変更しなかったとのこと。売れなかった頃には商品名、さらには品質に関しても議論されたとのことですが、結局は変更せず、ネット上で強みをアピールすることで徐々にファンを増やし、今ではリアル空間でのイベントを開催するほど、よなよなビールのファンを獲得しています。

 

タマチャンショップ(有限会社九南サービス)

自然食品を扱っている有限会社九南サービスが提供するブランド、タマチャンショップ。
元々は舞茸を扱う小さな農家でだったのですが、生産者や消費の減少を受け、もっと国内の舞茸市場を盛り上げていきたいとの思いを抱くようになりました。そこで舞茸をECサイトにて販売開始したのですが、当初は楽天などのモール型で出品していたことから、購入者の実態が把握できず、お客視点・起点の戦略が取れなかったとのこと。そこで自社サイトを構築し、販売しつつ顧客のデータを取ることで顧客が何を求めているのかやどのような需要があるのかなどを把握し、成長を遂げました。

 

成功事例に共通しているポイントとは?

4社の成功事例を紹介させていただきましたが、これらの成功事例にはとある共通のポイントがあります。
つまり、D2Cで成功を収めるためには、その点を意識することが大切です。

 

徹底的な「顧客視点」

先に紹介したD2C企業の4社に共通しているのは、「顧客視点」です。
自社がどうあるのかではなく、顧客がどう思っているのか、何を欲しているのか等、あくまでも顧客視点を徹底した点にあります。
例えばFoo Tokyo。自社のWEBマガジンにて、自社アイテムだけではなく、他の会社のアイテムを紹介しています。かつてであれば自社アイテムのみを扱うのがセオリーですが、それでは消費者から信頼を得られないと考え、顧客視点に立ったサイト運営を徹底することで顧客からの信頼を得ました。DUOに関しても顧客からどう思われるのかという点を踏まえ、宣伝戦略を展開していますし、よなよなエールやタマチャンショップでも同様です。
物を売る時にはどうしても「自社として」というスタンスで考えてしまいがちですが、D2Cも物を買ってもらうという点ではこれまでのビジネスと同じです。ではそのために、何をすべきなのか。この点を自社だけで実践できる点がD2Cの強みであり、D2Cで行うべき点です。「これを売りたい」「利益を得たい」と思うのは当たり前ですが、顧客視点を考えなければ、顧客からの支持を得ることはできません。顧客に寄り添い、顧客のニーズを察知し、応える。D2Cではこれらが可能ですが、これらを意識して実践することこそ、D2Cを成功に導くためのポイントです。

 

まとめ

 

D2Cとはどのようなものなのか、さらには成功事例を紹介させていただきました。
そして、成功事例からD2C企業が成功するためには徹底した顧客視点が必要であることも分かりました。
「顧客視点」は言うのは簡単ですが、実行するとなれば多大なリソース、さらにはそれまでとは異なる発想が求められます。それでもD2Cを成功させるためには大切なものなので、これから取り組もうと考えているD2Cは、顧客視点をテーマに取り組んでみましょう。