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2022.2.4
【OEM初心者必見!】OEMと自社ブランドについて特徴や違い事例をご紹介

 

OEMは販売戦略に様々な選択肢をもたらしてくれるものです。
自社で工場を構えることなく、自社ブランドを保有することも可能になるなどメリットも多いのですが、OEMについて、名前くらいしか聞いたことがない、あるいはそもそもよく分からないという人もいるのではないでしょうか。
そこで改めて、OEMとは何を意味するものなのかやOEMにおける自社ブランドを持つ意義等についてを解説していきましょう。

 

 

OEMとは?

OEMとはOriginal Equipment Manufacturingのそれぞれの単語の頭文字を取ったもので、日本語に訳すと「他社ブランドの製品を製造する」となります。OEMは決して珍しいものではなく、様々な産業で見られるもので、我々の生活の身近な所でも多くのOEMがみられます。
例えば化粧品。化粧品を販売するためには、化粧品を製造しなければなりません。製造するためには工場を保有し、資材を集めるなど生産環境を整えなければなりません。しかし、OEMであれば工場に生産を依頼し、自社の商品として販売が可能です。
大手化粧品メーカーのように自社で工場を構えているケースもあれば、下請けの工場に依頼しているケースもあるのですが、どのような業態であれ、工場は稼働させてこそ利益になります。工場はラインが稼働しなければ利益になりません。そこで、工場の生産ラインに余裕がある場合、それまでのノウハウにて製造可能な商品を生産し、異なる商品名で販売するのです。これをサービス化し、受託生産する。
これがOEMです。つまり、OEMは中身はほぼ同じものですが、販売者が異なります。
また、まったく同じ製品として販売するのではなく、ある程度同じで、多少異なる製品にするなど、発注者側の依頼を受けるなどして生産するのです。化粧品メーカーだけではなく、日用品から食料品、自動車など、実に様々な製品がOEM化されていることからも、OEMは決して珍しいものではありません。

 

OEMの目的

OEMの目的は発注者側と受注者側で異なります。発注者側にとっては、自社で生産する拠点を構えることなく、OEMを依頼することで製品化が可能ですし、自社ブランドを展開することも可能です。製品を販売するためには、販売する製品を製造する環境が必要です。
しかし、一から工場を用意するとなれば多額な費用がかかるだけではなく、時間もかかります。
その点OEMであれば依頼するだけでよいのです。依頼する都度費用が発生しますが、一から工場を建てるよりも割安かつスピーディーです。一方、受注する側としても、工場のリソースを有効活用できます。工場は稼働させてこそです。
稼働しなければ設備投資が無駄になるだけではなく、維持費だけがかかります。しかし、空いている生産ラインでOEM製品を生産しますので工場側は暇を持て余すことなく、設備にて利益を生むことが可能です。
このように、OEMは発注者側と受注者側でそれぞれが異なるメリットを有するのですが、いわば双方にとってwin-winなものであることから、OEMが珍しいものではないのです。

 

OEMの特徴

OEMの特徴として、既存生産ラインを利用しての生産になりますので発注者側も受注者側も、ゼロからの生産ではありません。既存のリソースを上手く活用するものになりますので、発注者側にとっては生産ラインを保有せずとも自社ブランドを持つことが可能です。
もちろん自社ブランドだけではなく、製品を展開できますのでこれまでに実績やノウハウのない業者や、新規参入業者でも初めからある程度の生産環境を保有可能です。受注する生産者サイドとしても、新しい設備投資は不要です。
既存の設備投資で、かつこれまでの生産ノウハウを活用するだけになります。先にOEMは双方にとってwin-winとなるものだとお伝えしましたが、もう少し掘り下げると、お互いの経営上のリスクを補いつつ、メリットを享受できます。
発注業者側にとって、工場を建設して生産した製品が売れなければ赤字です。一方、工場側は生産ラインが稼働しなければ赤字です。しかし、OEMはそれぞれの赤字リスクを回避できるのです。企業単位ではなく、業界単位でリソースの有効活用を行えるのがOEMなのです。

 

 

自社ブランドとは?

自社ブランドとは自社で抱えるブランドです。OEMを活用することで自社ブランドを持つことも可能です。
例えばイオンであればトップバリューという自社ブランドを持っています。企業名ではなく、企業がコンセプトの元で展開するブランドこそ自社ブランドです。

 

自社ブランドの目的

自社ブランドを保有する目的は多々あります。
まずはイメージコンセプトを分かりやすく伝える点です。
ブランドには共通のメッセージがあります。高級ブランドであれば非日常感、特別感、所有することでの満足感ですし、日用品であれば安さに特化したブランドや使い勝手に特化したブランドなど、ブランドによってそれぞれテーマが異なります。
つまり、自社ブランドを保有することで、消費者に対して分かりやすいメッセージの発信が可能です。
企業名だけでは、消費者は分からないことも多いです。
老舗企業、あるいは有名企業であればイメージが定着していますが、新規事業者の場合、会社名だけでは消費者に名前を聞いてもらっただけでは何も訴えかけることができません。しかし自社ブランドを持ち、見てもらうことでどのような方向性の業者なのかを判断してもらえます。
また、流通・販売業者であれば、自社の販売網の確立が可能です。
流通・販売業者はこれまでメーカーの製品を販売するのみでした。
つまり、販売ラインナップはメーカーに依存する形でしたが、自社ブランドを持つことで、自社にとって必要な商品の販売が可能になりますので、メーカーに依存しない販売体制の構築も可能になりますので、その点を目的にOEMにて自社ブランドを展開している流通・販売業者も多いです。

 

自社ブランドの特徴

自社ブランドは、あくまでも自社のものです。
そのため、販売価格や製品の中身まで、全て自社で決めることが可能です。メーカーの商品を販売する場合、商品の中身は決めることができませんし、価格に関しても店頭価格こそ自由ではありますが、卸売価格より低くては赤字になってしまいますので、あくまでも卸売価格より高く、利益を確保できる価格での販売が求められていました。しかし自社ブランドであれば生産工程から考えることができますので、値段も自由に設定できます。
安くしたいと思えば、生産面で工夫ができるからです。
いわば自社ブランドを持つことで流通や販売はメーカーに頼らない商品展開が可能になります。このように、自社ブランドはすべて自社で決めることができるのです。また、自社ブランドはあくまでも自社でのみ取り扱うものです。
そのため、自社ブランドが大きな支持を集めた場合、販売網の独占が可能になります。
他では購入できないのです。自社ブランドの商品を欲する消費者は、自社ブランドの取り扱い店に足を運ばなければなりませんので、自社で扱っているほかの商品の販売機会も増やすなど、売り上げ増加効果をもたらす可能性もあります。

 

 

【OEMと自社ブランド】それぞれの事例をご紹介

OEMを自社ブランドとして展開しているケースは決して珍しいものではありません。
そこでOEMと自社ブランドについて、それぞれの事例をご紹介しましょう。

 

OEMの事例【フォックスコン(Foxconn)】

OEMの事例として紹介するのはフォックスコンです。
フォックスコンを手掛けているのはホンハイ。日本人にとっても馴染みの深いiPhoneやiPod、さらにはニンテンドーDSやWii、ブラビアなどのOEM供給元です。つまり、Appleや任天堂が頼っている会社で、OEM供給会社として世界最大手です。
裏を返せば、それだけホンハイの向上が素晴らしいクオリティを持つことを意味しています。
iPhoneからニンテンドーの機器までOEM提供できる工場なのです。生半可な工場では、それらの製造は行えないことでしょう。その理由は技術力もさることながら、生産能力です。特にiPhoneは世界で販売されています。
日本国内でも人気ですが、世界中で販売されていますので、世界での販売に耐え得る生産ラインが求められているのです。しかしホンハイにはそれがあるのです。Appleや任天堂の求める技術と生産量が可能だからこそ、頼られているのです。

 

自社ブランドの事例【ローソンセレクト】

ローソンセレクトとは、大手コンビニ業者・ローソンの自社ブランドです。
ローソンに限らず、コンビニは食品メーカーの製造する商品を仕入れ、販売する場所でした。いわば、販売している商品は他社の物だったのです。しかしローソンセレクトは自社ブランドとして、食品から日用品まで「生活に必要なもの」をテーマに、利便性、規格、品質、そして美味しいと健康をコンセプトに掲げ、商品をラインナップしています。
これまでにローソンが培った顧客ニーズや消費者への信頼感を武器に展開する自社ブランドは、メーカーに頼らない自社商品網として、ローソンの店舗にて展開しています。

 

OEM 自社ブランド:まとめ

自社ブランドを持つことで様々なメリットがあります。
そしてOEMを活用することで自社ブランドは簡単に持つことが可能です。
自社ブランドとOEMにはそれぞれメリットがありますが、OEMにて自社ブランドを取り扱うことで、それぞれのメリットを一挙に享受できます。これまでには無い販売体系の構築、新規ジャンルへのチャレンジなど、様々な可能性があるOEMと自社ブランド。これらを上手く組み合わせ、自社ブランドにて様々な戦略を仕掛けてみるのもよいのではないでしょうか。