日本国内で注目を浴びるD2Cですが、一方で開業から売上の目途が立たず消えてしまうD2Cは後を絶ちません。そこで今回の記事では、飲料品のD2Cビジネスについて、成功事例を紹介しながらD2C事業を成功させるための考え方を紹介しています。D2C事業で少しでも成功確率を増やしたい方にこそ読んでほしい内容ですのでぜひご覧ください!
目次
D2Cとは?
D2Cとは、「Direct to Consumer」の略称で、メーカーなどの製造者が小売店や代理店などを挟まず、消費者と商品の取引をする販売方法のことを指します。
クール便やUber eatsなど配送業の発達により、家にいながら品質を損ねることなく飲料品を注文できるようになったため必ずしも店頭販売を行う必要は無くなりました。
代わりにSNSやブログコンテンツ等の発信により、試食や臭いではなく文章や写真で興味を引くといった、今までとは違う販売技術が求められるビジネスモデルです。
D2Cについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています!
興味のある方はこちらをぜひ読んでみてください!
D2Cのメリットとは?
D2Cには一般的な企業とは違ったメリットが4つあります。
大手企業との差別化をはかるためにも、D2C特有のメリットを理解しておきましょう!
1. 売り手のビジョンや想いを顧客に伝えられる
D2Cメーカーは、商品の販売に至るまでさまざまな苦労や思いが込められています。商品を通じてビジョンや思想をユーザーに伝えられるのはD2Cのメリットの一つです。
ビジョンや思想を伝えることができれば、同じ思想を持ったユーザーの心を惹きつけることができ、コアファンの獲得やブランドイメージの向上に繋がります。
D2Cとユーザーが同じ思想の下、意見を交わしながら成長していくことでより明確で実現可能なビジョンに向かって進むことができる点はD2C特有のメリットの1つです。
2. 一人ひとりの顧客の声を聞ける
応援しているユーザー一人一人の意見を商品に反映させやすいのはD2Cの特徴です。
企画・開発・販売まで一貫して管理しているD2Cメーカーは、ユーザーからいただいた意見を商品に活かしやすく、ユーザーの意見に耳を傾けるメーカーだとユーザーが思ってもらうことで声を届けやすくなり、より良い商品作りに繋がります。
TwitterやInstagramなどのSNSを通して、ユーザーの直接的な意見を募集する場所づくりと柔軟に商品を改善していく行動力が必要ですが、よりユーザーのニーズに近い商品を生み出しやすいのはD2Cのメリットといえます。
3. 顧客データを活用して更に良い商品を開発できる
自社で運営しているECサイトを通じて商品展開することで、顧客データの収集を行いやすく、ユーザーの無意識に訴求できる商品開発に繋がります。
Googleアナリティクスのようなツールを使用することで、性別や年齢などの属性をはじめ商品ページの滞在時間や購入者の行動遷移を分析することができれば、ユーザーの行動を誘導することができます。
データで売れている商品の傾向を見れるので、ユーザーにとって良い商品とは何かを予想しやすく、ニーズを満たせる商品を開発できるのが特徴です。
4. ブランドロイヤルティを向上できる
SNSやブログコンテンツを通じて、ユーザーと綿密なコミュニケーションを取れるD2Cはブランドロイヤリティを向上させやすいメリットがあります。
ブランドロイヤリティとは、特定の商品やサービスのコアファンのことを意味しています。コアファンや商品を繰り返し購入してくれるだけでなく、SNSや口コミを通じて自主的に商品の宣伝を行ってくれる存在のため貴重な存在であり、新規ユーザーの獲得にも繋がるため大切です。
飲料品をD2Cで効果的に売るポイント4選!
今回はD2Cメーカーとしてのメリットだけでなく、D2Cで飲料品を売っていくためのポイントを4つに分けて紹介します!
1. 商品の魅力をしっかり伝える
飲料・食品業界は特に競争率が高く、さまざまな商品が高品質・低価格で展開されています。そんな中自社の商品を選んでもらうためには、商品独自の魅力をしっかり伝えることが大切です。
商品の魅力といっても商品だけにこだわる必要はありません。
例えば「フランスで修行を積んだシェフ」という強みは、商品の質を担保する明確な強みとして機能します。
高品質な商品を提供することは当たり前として、商品の付加価値をユーザーに向けて積極的に発信することが、飲料品をD2Cで売るためのポイントです。
2. D2Cで購入するメリットを掲示する
商品の魅力を伝えることと似ていますが、商品を購入するメリットを提示することも重要なポイントです。
商品を通じて、ユーザーのニーズをどのように満たすことができるのかをメリットとして提示し、商品の期待感を上げることでユーザーの購買欲求を高めることに繋がります。
ただし商品の期待感をむやみに上げ過ぎた場合、ユーザーの反発を受ける可能性がありますので、やりすぎない範囲でメリットを提示しましょう。
3. 売り時や時間帯を吟味する
飲料・食品は売り時や時間帯を吟味することが売上に直結する場合があります。
寒い冬の時期にかき氷を販売したり、早朝にステーキを販売したりした場合、売上を上げる難易度は大幅に上昇するといっても間違いではないでしょう。
売り時や時間帯を吟味し、適切な時期にキャンペーンや宣伝などの活動を行うことで、より効果的に自社の商品を展開できます。
4. 安心・安全を提供する
飲料・食品の商品は身体の中に摂取する関係上、他の業界に比べてより安心感・安全性が大切な要素です。
ある食品業界の論文によると戦後から食の娯楽化が進んでいる側面が強くなっており、健康的であることに加えて、食に関するイベントや楽しさにニーズが高まっているとされています。
食事による健康の維持や楽しさは安心・安全な食品の上で成り立っており、安心や安全を損ねる食品にはニーズがないため、売上を上げる価値は無いといえます。
※参考文献※
マーケティングや経済効果の観点から求められる食育と食の娯楽化 | foodmarkething
D2C飲料品ブランドの成功事例をご紹介
飲料・食品のD2Cメーカーが売上を上げるポイントをさせて頂きましたが、実際にD2C飲料品メーカーとして成功した事例をご紹介いたします!
「Winc」
Wincは、宅配型D2Cワインサービスを展開しているメーカーで、2020年3月15日から3月28日までの2週間で新規会員登録数が約700倍に増加するなど大きく業績を伸ばしているD2Cメーカーです。
顧客に味覚に関する質問を行い、質問結果に基づいたおすすめのワインを月に4本受け取るサブスクリプションサービスを展開しています。
世界中にあるワインメーカーと提携しており、季節ごとに旬のワインが低価格で楽しめるとして、ワイン初心者から上級者まで幅広く支持されています。
D2C成功のための3つのポイントとは?
D2Cを成功させている企業はどのようなポイントを抑えているのでしょうか?3つのポイントに分けて解説します!
1. 世界観を伝えるUX設計
D2Cを成功させるためには、ユーザーに向けて世界観を伝えられるようなUX設計を行う必要があります。
UXとは、ユーザーエクスペリエンス(USER EXPERIENCE)の略で、顧客体験を意味する単語であり、UX設計はユーザーに向けて顧客体験を感じ取れる設計を行うことを指します。
D2Cブランドにおいて、他にない独自の世界観と顧客体験を提供することができて、初めてユーザーを惹きつけるといっても過言ではありません。
2. ユーザーへの利益還元
ユーザーに利益を還元できるD2CであることもD2Cで成功する要素の一つです。
利益を還元するD2C企業は、ターゲットとなるユーザーのニーズを理解しているからこそ利益の還元を行えます。
ブランドのファンを獲得することが重要なD2C業界では、ユーザーに合ったコミュニケーションを行い、求めるニーズに応えるように利益を還元することが成功するブランドとして必須の条件です。
3. SNSインフルエンサーの拡散力
D2Cを行う上でSNSでの広報戦略は非常に重要です。特に近年インフルエンサーの影響力は凄まじく、その拡散力はD2Cにとって強力な武器になります。
SNSは口コミでの評判が広がりやすく、一度商品が拡散されると多くの人の目に触れることになります。そのためSNSインフルエンサーの発信は、多くの人の目に触れる機会を増やし、拡散される機会を上昇させることができます。
またインフルエンサーには、D2Cで必要となるファンが既についています。
つまり、インフルエンサーを商品のファンとして宣伝を行うと、インフルエンサーのファンも商品のファンになる可能性があります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回はD2C飲料品の成功事例を中心に、D2C事業を成功に導くためのポイントを紹介しました。
D2C企業が一方的に商品やコンテンツを提供するのではなく、綿密なコミュニケーションを行い、ユーザーのニーズに応えながらブランド構築を行っていくことが重要です。
また、競合他社が多い中で自社の商品を選んでもらうためにも、独自の強みや世界観を構築し多くの人に認知してもらうことで、唯一無二のブランドとして確立させることがD2C事業を成功させるために重要なポイントです。