さまざまな企業がD2C事業に参戦している昨今ですが、有名なD2CブランドとそうでないD2Cブランドは何が違うのか分かりませんよね?そこで今回は有名なD2Cブランドを6社紹介します!参考になるD2Cブランドも紹介しているので、D2Cブランド選びに困っている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
D2Cとは?
D2Cとは「Direct to Consumer」の略であり、自社で企画・製造を行った商品を広告代理店や委託販売店を仲介せず、ユーザーと直接的な取引を行う販売方法のことを指します。
製造を行っているメーカーと消費者であるユーザーの距離感が近いことが特徴であり、コンテンツブログやSNSなどインターネットを介したコミュニティを通じて、コミュニケーションをとりながら商品の取引や改善が行われます。
近年では、品質の高さと価格の安さが両立していることもあり、コストパフォーマンスの高さからユーザーに注目されている販売形態です。
国内で有名なD2Cブランド3選
D2C企業はさまざまな業種で展開を広げていますが、実際に国内で有名なD2Cブランドを3つ紹介します。
BULK HOMME(株式会社バルクオム)
BULK HOMME(バルクオム)は、スキンケア商品を中心に展開を行っているD2Cメーカーであり、「基本的なスキンケア習慣を身に付けたい」「素肌の健康を保ちたい」と考える男性に向けて販売しています。
ブランドイメージを大切にしている企業であり、商品のパッケージや公式ホームページをシンプルなデザインから分かる通り、透明感のある商品が男性のみならず、女性にも評価されており注目されています。
スキンケア商品の品質の高さが認められ、Amazonビューティー総合部門・2017年ベストコスメ・2016年ベストコスメに選べれ、累計売り上げ本数は777万本を突破するなど実績もあるD2Cコスメメーカーです。
BASE FOOD(ベースフード株式会社)
BASE FOOD(ベースフード)は、1食で1日必要な栄養素の3分の1を摂取できる完全食栄養食を販売している食品D2Cメーカーです。
健康に気を使っていて過剰に摂取しがちな塩分・脂質・ナトリウムなどの熱量などを除いた約30種類の栄養素が配合された主食を提供しており、調理の手間がかからず普段の主食を置き換えるだけで健康的な食事にできると注目を集めています。
また、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の絵学部准教授である津川氏も推薦しており、ダイエットや健康志向など長期的な食事改善が必要な行動に適していると評価されており、ユーザーのことを第一に考えた人気D2Cブランドといえるでしょう。
BOTANIST(株式会社I-ne)
https://botanistofficial.com/shop/default.aspx
BOTANIST(ボタニスト)は、花・草木・果実など植物由来の成分を活用した商品を展開しているD2C化粧品メーカーです。
主力商品の1つである、モイストシャンプーは乾燥毛向けのユーザーに向けて独自に配合されたボタニカル成分で保湿力を強め、髪の毛にしっとりとした潤いを与えてくれると評判の商品です。
パッケージデザインや広告費をできる限り削減し、商品の品質を高めることに注力した戦略でユーザーの心をつかみ、SNS映えする商品でありながら評価の高い商品として実績を積み重ねた経緯はとてもD2C的といえるでしょう。
海外で有名なD2Cブランド3選
次に海外で有名なD2Cブランドを3つ紹介します。
Warby Parker(ワービーパーカー)
Warby Parker(ワービーパーカー)は、2015年にアメリカのメディアが発表しているランキング「世界で最もイノベーティブな企業50社」でAppleやGoogleを抑えて1位に選ばれた実績のあるD2Cアパレルメーカーです。
イノベーティブは「革新的」という意味を持つ単語ですが、イノベーティブと評価された理由は、インターネットから生まれた最初の優れた企業だったからといわれています。
現在ではSNSやブログコンテンツから商品が生み出される事例も珍しくありませんが、Warby Parkerが設立した2010年はD2Cという販売方法は一般的ではありませんでした。
顧客の半分以上を口コミで集めて売上を上げる事例は当時ではとても珍しく、カスタマーサポートも充実していたことからD2Cの先駆けとして発展していき、今でもD2Cを牽引する大企業として愛されています。
Cotopaxi(コトパクシ)
Cotopaxi(コトパクシ)は、バッグや防寒具など登山やキャンプで使われるアウトドア商品を展開し、人気を集めているD2Cブランドです。
コトパクシの商品は、大手アパレルブランドが製造過程で生まれてしまう残材を回収し、工場で新しく製品化する「サステナブル(持続可能)」を取り入れた資源を大切にし、地球にやさしい商品開発を行っています。
残材を使用しているため個性的なカラーリングになることが多く、リーズナブルな価格で展開されていることから、貧困層を中心に人気を集めています。また、資材を大切に扱う姿勢などミレニアム世代からの支持も厚いブランドです。
Bonobos(ボノボス)
Bonobos(ボノボス)は、アメリカを中心に展開しているメンズアパレルブランドです。
ガイドショップと呼ばれる店舗を展開していますが、そこで商品の販売を行わずに試着して気に入った商品があればオンラインショップを経由して購入するか、自宅に帰ってから購入する販売形態を行っているのが特徴です。
ガイドショップに予約来店するとさまざまなサービスが受けられたり、ボノボスの専門スタッフが自分に合う服についてアドバイスを行ってくれたりと、売らない戦略を取りながらも来店してくれたユーザーをファンにする戦略を取っている珍しいD2Cブランドです。
成功しているD2Cブランドの共通点をご紹介
成功しているD2Cブランドに共通している点は、「何を売り出すのか」が明確に定めていることです。
商品を売り出すのはもちろんのこと、サービスや付加価値などユーザーに提供する体験をしっかりと決め、自社のフェーズに合わせてコンテンツを充実させることが大事な要素となります。
特にスタートアップ時は提供できるサービスが限られているので、ユーザーに向けて有益な情報を発信するSNSやコンテンツブログなど、ユーザーとコミュニケーションを図りながらコアファンになるようなブランドコンセプトを育んでいきましょう。
参考になるD2Cブランド一覧とそれぞれの特徴
D2Cブランドにおいて、参考になるような体験を与えているブランドを3つ紹介します。
SAKE100
・日本酒を専門で取り扱うD2Cブランド
・自社で運営する日本酒専門メディアで情報発信を行っているため、ノウハウが濃く信頼性が高い
・300を超える酒蔵に取材を行っており、現場の声や思いをありのまま発信している
NewMe
・美容品を取り扱うD2Cブランド
・各地で定期的にイベントスペースを設け、オンライン商品を体験できるコーナーを作成
・イベントスペースにはスタジオが用意され、インフルエンサーやブランドがイベントを行っているため、美容品以外の付加価値も高めている
MEDULLA
・シャンプーを中心に展開しているD2Cヘアケアブランド
・サイト上でヘアケア診断を行い、髪質に合わせた自分だけのシャンプーを作成できる
・なりたい髪質の要望によって配合を変えることもできるので、融通が効きやすく失敗しにくい
まとめ
日本に限らず、さまざまな業種で人気のD2Cブランドが存在しており、私たちの生活により身近な存在になりつつあります。
今回取り上げたD2Cブランドは、D2Cという言葉が一般的になる前から活動を始めており、ノウハウや製品知識だけでなく、ユーザーとのコミュニケーションを通じてどのような体験を提供するのがいいかを常に考えています。
ユーザーが抱えている価値観や悩みに沿ったD2Cブランドは、コンテンツの充実度やサービス展開において、一歩先を進んでいるといえます。
より良いD2Cブランドを探すためにも、どのような体験を提供しているか確認してみるといいかもしれません。