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ECサイトの特徴とは?
ECサイトとは、「Electronic Commerce」の略称であり、日本語に直訳すると「電子商取引」のことを指します。
電子商取引とは、インターネットを利用した通信販売のことであり、スマートフォンやパソコンを使って商品やサービスを購入できる仕組みのことです。
ECサイトには、大きく分けて「BtoC」と「BtoC」の2種類があります。
BtoBとは、企業が企業に向けてサービスや商品を展開することであり、BtoCは企業が個人に向けてサービスや商品を展開することです。
また、商品の生産状況によってはBtoBにもBtoCにも対応でき、幅広く商品やサービスを扱える特徴があります。
ECサイトの特徴上、実店舗で商品を確認しながら購入を検討することができないため、商品説明・写真・ECサイト全体のコンセプトで消費者に訴求する必要があります。
一方で、消費者はインターネットさえ使えれば、いつでもどこでも商品を購入することができるため、近年多くの企業が取り入れている販売方法です。
食品ECサイトの市場規模・市場動向
ECサイトは年々市場規模を拡大させています。
2020年7月22日に公表された経済産業省の「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」によると、直近10年間のEC市場規模は2倍以上増加していることが分かります。
そのうえで、食品業界全体の市場規模と食品業界のEC市場について解説致します。
食品業界全体の市場について
2018年物販系分野における食品業界の市場規模は8.6%であり、全体の数値で見ると平均より大きな市場規模を占めています。
食品業界の市場規模の多くは、実店舗による販売形態を採用しており、全国さまざまな場所で食品の販売を行っています。
また、飲料・酒類を含めた食品業界における市場規模の内訳は約1.7兆円にも上り、日本の経済を支えている産業の一つといえるでしょう。
一方で、2019年になると市場規模こそ約1.8兆円に増加しているものの、全体で見た市場規模は約7.8%に低下しています。
理由としては、世界的パンデミックの影響により巣ごもり需要が増加したため、PCや周辺機器などの市場規模が拡大したことで、全体の市場規模に影響を及ぼしたと考えられます。
食品業界のEC市場について
2018年における食品業界のEC化率は2.64%であり、生活家電・生活雑貨・アパレル業界など、EC化が進んでいる業界に比べて低い数値になっています。
食品業界は実店舗での販売が基本であるため、EC市場との相性が悪いと考えられており、ECに踏み込む企業が少ないのが現状です。
一方で、2019年は世界的パンデミックの影響で巣ごもり需要が増加したことにより、他社と連携して食品業界でEC化が一部進んだこともあり、EC化率は2.89%まで上昇しています。
外食を控え、通信販売によるインターネット注文で食品を購入する人が増加し、需要が急激に高まったと見られます。
特にUberEats・楽天デリバリー・出前館など、食品の配達サービスが大きく市場に進出したこともあり、食品業界のEC販売に注目が集まりました。
また、2020年以降はD2Cビジネスの注目や食品業界におけるEC市場の成功事例が増えていることもあり、さらに食品業界のEC市場は大きく伸びることが見込まれています。
しかし、まだまだ食品業界のEC化率が低いこともあり、新規参入者にとってはブルーオーシャンであるといえるでしょう。
食品業界のEC化に際しては、実店舗で購入できる食品業界とどのように差別化するかが重要な要素です。
食品ECサイトの成功事例売上高3選をご紹介
食品ECサイトの成功事例は、ここ数年間で大きく増えています。
特に「Amazon」「イトーヨーカ堂」「オイシックス」の3社は、食品ECで大きく売上高を伸ばしており、新規参入者にとってどのようなビジネス戦略を取るべきなのかの指標になり得ます。
それぞれ詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
アマゾン(日本事業)
Amazonの日本事業部は、「Amazonフレッシュ」というEC事業を展開し、成功を収めました。
取り扱う商品は、肉・魚・野菜などの生鮮食品はもちろん、豆腐やソーセージなどの加工食品など、多数の食品を扱っています。
また、トイレットペーパーや洗剤等の日用品を取り扱っており、商品の合計は17万点以上に及びます。
実店舗での販売がメインであるスーパーやドラッグストアと比べて、遜色のない商品を取り扱っているため、スーパーやドラッグストアに気軽に行けない人に向けた販売がメインです。
一方でECサイトで食品を扱う以上、鮮度の確保を実店舗以上に行う必要があります。
そこでAmazonフレッシュでは、「鮮度や賞味期限保証サービス」を設けており、ユーザーの不安を下げるよう努力しています。
6つの温度帯で食品を管理しているほか、Amazonが持つ物流技術を活かして、鮮度の高い食品をサービス受給者に提供しており、安心で安全な食品を手元に届けているサービスといえるでしょう。
人気の商品は、水や牛乳といった飲料物であり、重たい商品を配達してもらえるのは、ECサイトの強みといえる部分です。
イトーヨーカ堂
イトーヨーカ堂は、「イトーヨーカドーネットスーパー」で生鮮食品の配達サービスを行っています。
首都圏を中心に展開しており、多数ある実店舗を配達拠点として活用したサービスで、会員登録をすれば無料で利用できます。
商品は近隣のイトーヨーカドー店舗から配達されるため、最短で4時間程度配達が可能担っています。魚や肉の調理販売も行っているのが特徴です。
現在は配達圏を拡大しており、24都道府県で利用でき、配送料は注文額に関係なく一律330円になっています。
また、選んだレシピに必要な材料を表示し、まとめてカートに入れる機能も提供されており、ミールキット販売に類似したサービスとして注目を集めています。
ミールキットのようなセット販売とは少し違うため、不要な材料はチェックを外すことで、対応可能です。
オイシックス・ラ・大地(Oisix)
オイシックス・ラ・大地とは、2018年に「大地を守る会」と「らでぃっしゅぼーや」と統合したことで「オイシックス・ラ・大地株式会社」となった経緯のある生鮮食品配達企業です。
近所では手に入れにくい食材である、有機野菜や無農薬野菜をネットで買える宅配サービスとして購入できるサービスが特徴です。
配達日時を選ぶことが可能であり、最終的にはミールキットとよばれる野菜セットの定期購入ができます。リピーターを獲得することで大きな収益をあげています。
また、配送の段ボールや説明書に、野菜を美味しくたべるための説明が詳しく書かれており、献立の作成や料理への楽しさを感じられる工夫が成されています。
まとめ
食品の販売方法は、実店舗の販売が一般的であり、ECサイトでの販売は相性が悪いとされてきました。
一方で、巣ごもり需要の増加や高齢化の影響で、食材の配達サービスの需要が高まっており、食品業界におけるECサイトの市場規模は年々上がっています。
新規参入者も比較的少ないため、食品ECサイトとしての立ち位置を確立すれば、売上を上げやすいブルーオーシャンだといえます。
一方で、既存のスーパーやドラッグストアなど、利便性の高い販売店が競合となるため、しっかりと販路を整えることが重要といえるでしょう。
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