D2Cを実践するのであれば、D2Cを理解することも大切ですが、実践するための環境づくりも大切です。
デジタルマーケティングであるD2Cは、気合や根性が通用する世界ではありません。
そこで一つの鍵となるのがプラットフォームです。
プラットフォームを活用することで、D2Cを効率的に進めることができるのですが、D2Cにて活用できるプラットフォームもまた、様々な物が登場しています。そこで、D2Cとプラットフォームの関係性についてを様々な角度から見てみるとしましょう。
D2Cにおけるプラットフォーム
D2Cの手法は様々ですが、プラットフォームを使用するのも手です。
プラットフォームを使用することで、D2Cをよりスピーディーに実践できますし、自社のリソースの軽減が可能です。
D2CはECサイトでの販売がメインです。
販売するために顧客に寄り添う手法がD2Cならではな部分ですが、販売のシステム部分を自社で構築するとなれば簡単ではありません。
また、システムの構築だけではなくサーバーまで用意しなければなりませんし、用意したサーバーでサイト運営することになりますので、定期的にサーバーの保守やメンテナンスも行わなければなりません。
これらを全て自社で行うとなれば、多大なリソースが必要になるのは言うまでもありません。
大企業であればよいでしょう。
新たにプラットフォームを構築するとしても、リソースもあれば、どこかで使用するかもしれませんので構築したプラットフォームが無駄になる可能性は低いです。
しかし中小企業の場合、D2Cのためにプラットフォームを作成したとしても他で運用する予定がなければコストが割高に感じてしまうのではないでしょうか。その点プラットフォームを利用すれば先に挙げた要素は不要です。サーバーの用意やメンテナンス、セキュリティ、システムの構築等、全てプラットフォームが用意してくれています。それこそプラットフォームサービスに登録しただけですぐにD2Cを開始することも可能です。
D2Cにおける役割と重要性
D2Cはインターネット上でのビジネスモデルです。
ECサイトで商品を販売する際、顧客に寄り添い、顧客とコミュニケーションを深めるなどして商品やサービス、さらには自社を理解してもらい、一度だけの顧客ではなく常連顧客へと育てることが真の目的です。そのためには当然ですがECサイトが必要になります。
つまり、D2Cを行いたいのであればECサイトを保有することが大前提です。
ECサイトは保有したくないけどD2Cを実践したいという願いは、基本的には矛盾したものです。
もちろんECサイトを自社だけで用意することも可能です。
しかし、先にもお伝えしましたが自社ですべてを用意するとなれば多大なリソースがかかるだけではなく、維持も大変です。
仮にですが、自社で用意したECサイトに何らかのトラブルが発生し、購入できない状況となってしまったら、トラブルが起きている時間は売上が発生しません。つまり、D2CはECサイトの安定性が求められます。
トラブルだけではありません。
サイトの表示が遅い・重いようであれば閲覧者は他のサイトにと考えることでしょう。
このように、D2CではECサイトの安定性も考慮しなければなりません。プラットフォームであれば、当然その点も考慮されています。
むしろ何らかのトラブルやアクシデントがあれば即座に反応してくれることでしょう。
その点ではプラットフォームを利用することは、役割分担だと考えることもできます。
プラットフォームを利用すれば、サーバーに関する部分は自社で行う必要はありません。
販売戦略のみを考えればよいのです。
しかし自社ですべてを行う場合、販売戦略だけではなくサーバーメンテナンス等、販売とは関係ない部分まで考えなければならないのです。
モール型と自社の違い
D2Cでプラットフォームを利用する際の選択肢としてモール型と自社型の二種類に分類できます。
自社型とは、自社のサイトです。
基本的に自社のみのサイトになりますのでプラットフォームを利用するのであれば、プラットフォームのルールに則る必要はありますが、ルール内であれば自由です。どのようなデザインのサイトにするのかや商品ページのレイアウト等、基本的には自らで決めることができます。
一方、モール型の場合はECショップがモール内に多数あります。
さながら商店街やショッピングモールのような状況がサイト内にできています。
つまり、自社だけではなく他の業者もモールに出店しています。
そのため、モール内で埋もれてしまうリスクもありますが、モール内はリンクが張られていますし、モールそのものも集客を行っています。つまり、他の業者の集客が自社の集客にも寄与する可能性があります。自社型の場合、他のECサイトからのリンクは期待できません。
また、モール型の場合個性を出しにくい点も特徴です。
例えばモール型といえばAmazonや楽天市場、Yahoo!を連想すると分かりやすいですが、商品説明ページの構成はほぼ同じです。扱う商品、付随する説明文こそ異なりますが、基本的なテンプレートはほぼ同じものです。優劣というよりも、それぞれ特徴が異なりますので自社が目指すD2Cはどちらなのか、その特性を踏まえて選ぶ必要があります。
D2Cにおける有名プラットフォーム4つを徹底解説
D2Cにて活用できるプラットフォームはいくつかありますが、その中から有名なものをご紹介すると共に、解説していきましょう。
BASE
TVのCMも流れているBASE。
簡単に自社ECショップを作ることができるプラットフォームで、特別な知識は不要。
テンプレートから選ぶだけである程度個性的なECショップを構築することができます。
ちなみにサイトを作成するだけであれば無料で、売上金額からマージンを支払う形となります。
大きな特徴はやはり簡素さです。
公式サイトでも謳われているように、30秒でネットショップの作成が可能です。
また、ネットショップ作成だけではなくアパレルブランドの立ち上げや資金調達サービスといった、経営面のサポートも用意されていますので、D2Cのプラットフォームとしての利用にも耐え得るものです。
ちなみにBASEはinstagramとの連携や独自ドメインの取得・設定も可能なので、プラットフォームではありますが、個性を出しやすい点も人気の理由となっています。
STORES
こちらも「商売繁盛」の掛け声にてTVCMを展開しているので知名度は高いのではないでしょうか。
STORESはECショップの開設だけではなく、ネット予約システムやPOSレジ、キャッシュレス決済など店舗業務の効率化サービスを提供しています。
つまり、ネットショップだけを業者ではありませんが、裏を返せば既に店舗を構えている場合、ネットショップを含めて自社の業務効率化に利用できる多くのサービスを用意してくれている業者だと考えることもできます。
もちろんすべてのサービスを利用しなければならないことはなく、ネットショップ単体の利用も可能です。
アカウントを作成するだけで無料でECショップの開設が可能。
テンプレートを選択することで、ある程度の形となります。
こちらもBASE同様、売上からマージンを引かれる形となっていますので、売上が記録されない限りはお金がかからないことになります。D2Cをと考えている企業の中でも、既に店舗も構えており、かつ店舗にもデジタル技術を導入して効率化をもたらしたいと考えている会社との相性の良いサービスです。
shopify
こちらは月額制にて提供されているネットショップサービスです。
月額制なので売り上げがなくとも費用は発生しますが、売上に応じたものではありませんので、売上が増えれば増えるほどコストパフォーマンスが高くなると考えてよいでしょう。世界で数百万以上のショップが利用しているサービスはFacebookや楽天市場、tiktokとの連携も可能です。
アプリ開発を手掛けている会社とあって、高い技術が随所にみられるサービスです。
デザインテンプレートが豊富なので、サイトを見ただけではshopifyを使用しているとは分かりにくい、つまりはオリジナルの個性を打ち出しやすい点が特徴です。
ecforce
ビジネスのEC化支援プラットフォームです。
法人向けと銘打っているように、ECショップを含めた包括的なデジタル事業化サポートと考えると分かりやすいでしょう。
その点ではD2Cはもちろんですが、STORES同様、既に店舗を持っている業者がEC化を検討する場合に候補となる業者です。
まだ何も定まっていないものの、とりあえずECサイトを持とうとする業者ではなく、店舗をデジタル化したい、デジタル部門が弱いなど、デジタル面に課題を感じている業者がデジタル部分のテコ入れとして活用すべき業者です。
広告の費用対効果、売上のデータ分析から出荷など、様々なオペレーションをデジタル・自動化し、業務効率化を支援します。
まとめ
D2Cとプラットフォームが如何に重要な関係にあるかが分かっていただけたのではないでしょうか。
D2Cをどのような形で実践するかは自由ですが、ECショップがなければD2Cはできません。
ではどのような形でECショップを持つのか。
その答えの一つがプラットフォームですが、プラットフォームにもモール型と自社型がありますので、どちらの方が自社のD2Cに役立つのかを考え、実践することが求められます。