ネットショップはもはや我々の生活にとって欠かせないものになっているのではないでしょうか。
コロナウィルスの感染症拡大によって、それまでの社会常識が大きく変化したことも拍車をかけ、買い物はネットショップでという人が増えています。
ここではそんなネットショップについての基礎情報や実店舗との違いなどを解説していきましょう。
ネットショップとは?
ネットショップとはその名称からもわかるように、ネット上のお店です。近年はECショップと呼称されることもありますが、いずれも意味は同じです。インターネット・WEB上にて商品・サービスを販売しており、会計も含めて全てネットで完結するお店です。
ここまでネットショップが大きな存在感を発揮するようになったのは、冒頭でもお伝えしたコロナウィルスの感染症拡大による社会情勢の変化もありますが、ネットショップが増加していることで、様々な物がネットショップで購入できるようになった点、さらにはインターネット技術の進化によって、クレジットカードを安心して使用できるようになった点、さらにはスマートフォンの普及によってインターネットを手軽に利用できるようになった点が挙げられます。
エンパワーショップ株式会社の統計によると、2021年7月で国内ネットショップはおよそ418万店舗とのこと。
ちなみに経済産業省の統計によると、小売店は全国におよそ141万店とのこと。つまり、ネットショップの方が圧倒的に多いことが分かるのではないでしょうか。
当然ですが、お店が多ければ競争原理が働くだけではなく、利用者にとっては選択肢が豊富、つまりは利便性が高まりますので、ネットショップの人気がより高まります。そして高まった人気を受け、さらにネットショップに進出する業者もいます。このような、成長の好循環が起きているのがネットショップ業界です。
特に先にもお伝えしましたが、スマートフォンの普及がネットショップの成長を後押ししました。
スマートフォン登場前は、ネットショップは基本的にはPCユーザーのものでした。いわゆるガラケーと呼ばれた携帯電話と比較するとPCは少々扱いが難しいだけではなく、処理・表示能力に大きな差がありました。
ガラケーでは簡易的なホームページのみを表示させ、PCユーザー向けに本格的なサイトを提供していた業者は多々ありました。しかしスマートフォンはPCと同じ画面の表示が可能ですし、システムも使用できます。つまり、スマートフォンであればPC同様、ネットショップにて注文が行えるようになりました。結果、ネットショップの人気が高まり、ネットショップの需要増がネットショップの増加を招いています。
参照サイト:
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/71965
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syougyo/result-2/h9/kakuho/daikibo/page06.html
実店舗とネットショップ(ECサイト)の違いを解説
ネットショップと実店舗の大きな違いは現実の空間にあるか、インターネット上にあるかですが、その違いが他にも様々な違いを生んでいます。そこで、ネットショップと実店舗の違いをいくつかの項目に分けて解説していきましょう。
・来店の違い
まず大きな違いとしてあげられるのが来店の違いです。
実店舗の場合、実際に足を運ばなければなりませんが、ネットショップであればサイトにアクセスするだけですので、場所も時間も問いません。
実店舗に足を運ぶ際には、お店の場所や営業時間を調べ、営業時間内にアクセスしなければなりません。このような特性を踏まえると、実店舗は周辺で足を運びやすい人のみが利用するお店になります。
有名店や希少価値の高い商品・サービスを扱っている店舗であれば遠方から訪れるお客もいますが、基本的には店舗にアクセスできる周辺の人間をターゲットにしています。
そのため、如何に素晴らしい品揃えを誇るお店でも、周辺の人口そのものが少なければお客もまた、少なくなってしまいます。その点ではお店側の企業努力では埋められないものがあるのも事実ですが、ネットショップはインターネットに接続できる人であれば誰もがアクセスできます。沖縄に住んでいる人が北海道のお店が運営しているネットショップにアクセスすることなど、何ら不思議ではありません。
更にはネットショップは営業時間という概念がありません。発送手続きは人間が行わなければならないのですが、商品の購入や決済だけであれば24時間いつでも行えます。
そのため、忙しい人でもネットショップでの買い物が可能です。仕事に追われている人、あるいは多くのお店が営業している時間に働くサービス業や夜勤従事者は、営業中のお店に足を運ぶハードルが高いですが、ネットショップであれば何ら問題ありません。
電車の中、寝る前の布団の中、仕事の休憩中等、場所・時間といったシチュエーションを問わずにアクセスし、買い物が可能です。
・購入行動の違い
消費者の購入行動もまた、ネットショップと実店舗では大きく異なります。
実店舗の場合、お店に足を運び、陳列されている商品を見て魅力を感じたら商品を購入します。
一方、ネットショップの場合、予めある程度情報を把握し、アクセスして最終確認して購入となります。
もちろんお店に足を運ぶ人も事前に情報収集することはありますが、お店に陳列されている、予備知識のない商品も、その場のフィーリングや商品説明に惹かれたりなど、事前に購入する予定のなかったものを購入するケースが珍しくありません。
しかしネットショップの場合、事前に情報をある程度知っているからこそ、ネットショップにアクセスし、商品を購入します。
いわゆる購買モデルとして、実店舗はAIDAやAIDMA、さらにはAISASやAISCEASなどがありますが、いずれもまずは「認知(Attention)」から始まりました。
しかしネットショップの場合、VISASやSIPSが提唱されています。
これは口コミ(Viral)や共感(sympathy)からのものです。
そのため、ネットショップと実店舗では消費者のニーズに応える方法が異なります。
・決済方法の違い
ネットショップでは、基本的には現金での決済がありません。
クレジットカード、あるいは電子決済サービス等にて行います。実店舗でもクレジットカードや電子決済サービスを利用しますが、現金でも可能ですし、何より決済を対面で行います。
この点は安心感もあれば、面倒という人もいるなど意見の分かれる部分ではありますが、実店舗の場合、いずれの方法ではあっても先にもお伝えしましたが、あくまでも営業時間内に決済しなければなりません。
その点ネットショップは24時間決済が可能ですし、人間が対応する必要がありません。
・信用の違い
ネットショップと実店舗では信用度が異なります。
これまでに関しては、ネットショップの方が利便性が高い点のアピールになっていましたが、この点だけは実店舗の方がメリットです。
実店舗でお店を出す場合、届出・認可が必要です。仮に自宅だとしても、勝手にお店として営業することはできません。行政に届出を出さなければなりません。
しかしネットショップは、それこそBASEのようなサービスであれば、ほんの数十分程度で誰もがネットショップを持てる時代です。
つまり、信用性という点ではどうしても劣ります。
また、先にも少し触れましたが実店舗で商品を購入する場合、実際に自分自身の目で確かめることができますが、ネットショップの商品は画像やテキスト文章で判断するしかありません。
しかしお店としても売りたい気持ちがありますので、画像を良いように修正したり、あるいはお店にとって都合の悪い部分を隠したり、さらには文章も誇張したり…といったネットショップもあります。
このように、「消費者側」からの信用度・信頼性に関してはネットショップより実店舗の方が高いことでしょう。
ネットショップのメリットとは?
ネットショップは消費者だけではなく、運営する側にとってもメリットが多々あります。これから紹介するメリットこそ、ネットショップが広く支持されていると共に、増加している理由でもあります。
・営業時間
先にも触れましたが、ネットショップには営業時間という概念がありません。
実店舗の場合、お客に来てもらいやすい時間、さらには法令を遵守した営業時間を設定する必要がありますが、ネットショップは基本的に24時間営業です。また、決済はシステムが行いますので、スタッフを常駐させる必要もありません。
深夜や早朝に商品が売れることもありますが、その都度スタッフが対応する必要はありません。
・開店までにかかる費用
ネットショップと実店舗を比較した際、開店費用は大きく異なります。
実店舗を開店する場合、開店する場所の確保、内装、そして人員の確保に光熱費など、イニシャルコスト・ランニングコストそれぞれかかります。
一方、ネットショップはそれらが不要です。
システム構築費はかかりますが、無料ネットショップ開設サービスを利用すれば、初期費用さえ無料です。
つまり、実店舗を開業しようと思ったらまずは資金を用意しなければなりません。かつて実店舗の開業を断念した人の中には、資金が主な原因だったケースも多いのではないでしょうか。
しかしネットショップであれば無料でも開業できるタイプの物もあります。そのため、「とりあえず」「試しに」といった、実店舗では有り得ない理由でのネットショップ開業も可能です。
まとめ
ネットショップについて、初歩的・基本的なことから解説させていただきました。既に多くの方が当たり前のように利用しているネットショップですが、理由を知ると納得できることも多々あるのではないでしょうか。何よりも開業のハードルが低いので、「自分のお店を持ちたい」という夢は、実店舗ではなくネットショップでかなえてみるのもよさそうです。