スマートフォンの普及は、様々な生活様式、商業概念を変えました。
その一つに「買い物」が挙げられるのではないでしょうか。
いわゆるECショップが大きな存在感を発揮しているのも、誰にとってもインターネット環境が当たり前のものとなったことで、ネット上での買い物が身近なものになったからこそです。
そのため、多くの業者がECサイトに参入し、更なる成長を見せるなどECサイトの成長は右肩上がりです。
このような状況を受け、ECサイトを始めてみようかなと考えている企業も多いのではないでしょうか。
そこでECサイトとは何を意味するのか、基本的な点から解説していきましょう。
ECサイトとは?
ECサイトとは、「electronic commerce」の頭文字から名付けられたもので、日本語に直訳すると「電子取引」になりますが、主にインターネット上でのショッピングを指す言葉となりました。
かつては「ネットショップ」との名称もありましたが、近年はECサイトとの名称にて定着しています。
ECサイトのメリットとして、時間や場所を選ばない点が挙げられます。
これまでのように、店舗での商品販売・提供の場合、利用者はまずは店舗まで足を運ばなければなりません。
さらに、店舗の営業時間内に足を運び、かつ商品を購入したら自宅まで運ばなければなりませんでした。しかしECサイトであれば、インターネット環境さえあればどこからでも商品の購入が可能です。
時間も基本的には24時間いつでも購入が可能で、さらには購入した商品は自宅まで配送してくれるのです。
ライフスタイル、住居環境を問わず、インターネット環境さえあれば便利な買い物が行えることからECサイトへの注目度は高まっています。
実際、ECサイト市場は右肩上がりに成長しています。
また、コロナ感染症拡大も、ECサイトにとっては追い風となりました。
コロナウィルスの感染症拡大は、それまでの常識を大きく打破しました。
例えば人が集まることが忌避されるようになったのです。
それまで当たり前のように行われていた「お店に行く」が、はばかられることになってしまったのです。しかしECサイトであればお店まで足を運ぶ必要がありません。
感染症リスクが高まる人混みの中に身を置くことなく、買い物が可能なので、コロナウィルス感染症拡大を機にECサイトに出店した業者も少なくありません。
ECサイトの主な4つの運営業務とは?
ECサイトを運営するにあたっては、主に下記の4つの業務を行うことになります。
いずれも実際の店舗と変わらない部分もあれば、ECサイトだからこそ留意しておかなければならない点もあります。
商品管理
ECサイトも、実際の店舗同様商品を販売することになります。
無いものは売れませんので、商品管理が求められます。
どれだけの在庫があるのか、入荷はいつなのか、売れた商品の手配もこちらに含まれると考えてよいでしょう。
特にECサイトは、いつ注文が届くか分かりません。
実際の店舗であれば、基本的に営業時間内ですし、人それぞれではあっても、ライフスタイルはある程度同じ人も多いことから、夕方から夜の来店が多いものです。
しかしECサイトの場合、むしろ移動の合間にちょっとした買い物をという人もいます。夜中・深夜の時間帯の方がゆっくりとサイトで商品を選べるという人もいますので、朝、システムをチェックしたら深夜に多くの注文が届いているケースも珍しくありません。
そしてECサイトの肝となるのが商品の発送業務です。
運送業者を手配し、購入者の元に商品を届けるのですが、この点に関しては様々です。自社で倉庫を確保し、倉庫から発送するシステムを構築している業者もいれば、店頭でも併売しており、注文が入ったら運送業者を手配して発送するケース、あるいはある程度まとまった注文を受けてから、あるいはいつも決まった時間に複数の商品を同時に配送するケースなど、店舗によってそれぞれ異なる部分ですが、店頭に商品を出す、あるいは発注するだけの実店舗とは異なり、発送管理もECサイトの商品管理に含まれます。
サイト管理
ECサイトとは、サイトを通して商品を販売するスタイルです。
いわばサイトがお店代わりとなりますので、サイト管理もECサイト運営の業務の一つです。
店頭であれば、シャッターを開けたり、空調を整えたりといった業務に該当するもので、例えば新しい商品が追加された場合、サイトを更新しなければなりません。売れない商品は何らかの形で閲覧者にアピールしたり、販売を終了した商品はサイトから削除したりなど、ECサイト運営において、サイト管理業務は重要な役割を担っています。
また、サイト管理は売上とも密接な関係があります。
もしもですが、売上が乏しい場合には、サイトのデザインの見直しも求められます。実際の店舗でも、商品が魅力的でも店舗に清潔感がなかったり、入店しづらい雰囲気ではお客は足を運べません。つまり、購入できません。
ECサイトも同様で、サイトの雰囲気で判断する訪問者もいます。
扱う商品・サービスとサイトデザインがマッチしているのかなど、サイト管理の業務は多岐に渡ります。
サポート業務
サポート業務はECサイトならではな業務です。
なぜなら、ECサイトを運営していると問い合わせが寄せられます。
実際の店舗であれば商品を手に取ってチェックできますが、ECサイトではそれができません。
そのため、利用者は問い合わせをします。その対応がサポート業務です。例えばアパレルであればサイズ、細かい色合い、サイトに掲載されていない部分の画像はないのか等が問い合わされることもあります。
サポート業務はECサイト運営に於いて、生命線といっても過言ではありません。仮にですが、利用者・消費者に対して不誠実なサポートを行ってしまった場合、信頼を損ねます。
対応をスクショされ、SNS等にアップロードされて悪い評判・口コミが出回ってしまうことも、何ら珍しくない時代です。
物を売るよりも大切な部分と言っても過言ではない、とても大切な部分です。いわば店頭での接客業務だと考えると分かりやすいでしょう。
売り上げ管理
売上管理もECサイトの業務です。
ECサイトの場合、デジタルデータになるので売上管理業務は、実店舗より楽な面もあります。
例えばクラウドサービス等と連携させることで、入力することなく、自動で販売商品、値段を算出し、限りなく省力化が可能になるものもあります。実店舗であれば、帳簿をつけたり、あるいはお金の計算等もありますので大きな負担を伴う業務になりますが、ECサイトでは、システム次第ではさほど負担になりません。
ECサイトの構築方法とは?
ECサイトを運営したいと思ったら、実際にECサイトを用意しなければなりませんが、ECサイトを持つことは決して難しくはありません。
むしろハードルが高くはないからこそ、ECサイトが多々登場していると考えることもできますが、現実的な選択肢として下記の4種類に分類できます。
フルスクラッチ
フルスクラッチとは、0からECサイトを構築することです。
既存のテンプレートを用いるのではなく、あくまでもゼロ空になりますので、これから紹介するほかの3種類と比べ、最も自由度が高い反面、最も費用がかかる構築方法となります。
そんなフルスクラッチの魅力はやはり独自色・カスタマイズ性です。
先にECサイトは多数登場しているとお伝えしました。
そのため、他のECサイトと似た造りになってしまうと、個性の演出が難しいです。また、既存のテンプレート等を活用するとなれば、カスタマイズにも限界がありますが、すべてを自作しますので、何から何まで自らの思い通りのECサイトとなりますた。
但し、予算はもちろんですが構築まで時間がかかるケースもあります。
自らでプログラミングする人はなかなかいないと思いますので事業者に依頼することになりますが、事業者が0から全て自作することになりますので、どうしても時間がかかってしまいます。
パッケージ
ある程度プログラムがパッケージングされているタイプです。
パッケージを活用すると、ある程度オリジナリティのあるECサイトの構築が可能です。
フルスクラッチほど手間・時間がかかることもなく、予算も抑えることができつつ、ある程度個性を出せます。
但し、パッケージは事業者が用意していますので、理想のパッケージを見つける手間もかかります。
オープンソース
オープンソースとは、ソースと呼ばれるプログラミングがオープン、つまりは公開されているものを活用するタイプのものです。
オープンソースは基本的に無償になりますので費用を抑えることができるのですが、あくまでも自分自身でサイトを構築しなければなりませんので、ある程度の知識が必要になりますが、ある程度できあがった状態で公開されているものもありますので、フルスクラッチと比較すると、そこまで専門的な知識を必要とすることはありません。
ASP
ASPとは、ECサイトがサービスとして提供されているものです。
簡単な設定で、すぐにECサイトの運営者となることができます。
手間という点ではASPは、これまで紹介した方法の中で最も簡素なものですが、ASPもサービスになりますので、費用が掛かります。
例えば売上金額からパーセンテージで徴収されるケースが多いです。
また、ASPはルールが設けられていますので、ルールを順守しなければなりません。
自らの好き勝手には運営できないなど、制約もありますが、手間をかけずに簡単にECサイト運営をと考えているのであれば決して悪くはない選択肢です。
まとめ
ECサイトは時代のニーズに沿った業態だと考えることができます。
そして、運営そのものも手法によっては決して難しいものではありません。インターネット環境が誰にとっても当たり前のものとなった時代、ECサイトには多くのチャンスが潜んでいます。
店舗での販売に限界を感じている場合や、あるいは新しいチャレンジをと考えているのであれば、ECサイトへの挑戦も良いでしょう。